木製品だらけの高畑町遺跡展

西宮北口辺りは西宮市内でもっとも古くから人が住んでいたそうです。
アクタ西宮のあたりは弥生時代頃の遺跡が見つかり、芸術文化センターでは
水田跡が見つかり、阪急西宮ガーデンズからは多くの人がいたらしい
痕跡が見つかり、アサヒビール跡地では古墳が確認されています。
今回の展示のメインとなる高畑町遺跡とはガーデンズのあたりになります。


古代の遺跡の展示だと焼き物をイメージするかと思いますが、木製品が
量も種類も数多く並び、こんなに見つかったのかとびっくりしました。
木製品が今に残るには、泥の中に埋まるなど酸素に触れず適度な水分が
あることが必要で、今でも宮水となる伏流水のひとつや津門川がある
という北口周辺は条件がよかったようです。
全国的に5世紀ごろの木製品の出土は数が少ないので、とても珍しく
重要な遺跡なのでもっと知られてほしいと学芸員さんが言っていました。

どうやら木製品リサイクルセンター倉庫のような場所だったらしいとのこと。
まとまって8本も出土した竪杵(たてぎね)や最新型と旧型の鍬(くわ)などの農具、
一度使った柱や扉など建築部材、まな板のような作業台に転用した跡のある
机の天板など、修理したり再利用したり大切に使っていた様子が分かります。

また、単なる飲料用とは思えないほど立派な井戸枠、瓦や墨書土器や緑釉土器、
倉庫群かと思われる建物の柱穴跡など、役所的なものを思わせる出土品も
多数見つかり、かなり重要な地域だったことが分かるそうです。

今回の展示は写真撮影OKなので、現物を見て気になったものの写真を撮って、
それについて調べものをまとめたら自由研究になるんじゃない? と、ぜひ
子供たちにも勧めてもらうなど、多くの人に知ってほしいです。

西宮市立郷土資料館第38回特別展示
「高畑町遺跡展―出土木器と古墳時代の津門遺跡群―」
2023年7月15日(土)~8月27日(日) 10時~17時(入館は16時30分まで)
月曜休館 観覧無料
講座や解説会などの詳細はチラシや西宮市ホームページでご確認ください。
https://www.nishi.or.jp/bunka/rekishitobunkazai/ritsukyodoshiryokan/takahata-cho.html

また、今までに書いた北口周辺の遺跡に関連する記事はこちらです。
津門大塚町遺跡現地説明会 2023.2.4. 2022.11.3. (県立医療センター建設中)
高畑町遺跡出土木製品 2015.11.14. 2015.10.17.
津門大塚町遺跡現地説明会 2015.8.8. (現ロイヤルホームセンター)
井戸からみた阪神地域 2012.12.19.
高畑町遺跡展(1) 2012.6.20. (現阪急西宮ガーデンズ)

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