市民が語る「西宮いまむかし物語」@にしきた 第2弾
「西宮神社の石灯籠に誘われて ~私が千葉まで旅した“わけ”~」が
2014年11月14日(金)に北口図書館でありました。
実はこの講座の講師は西宮歴史調査団の石造物班の団員の衣笠さん。
西宮神社調査でたまたま担当した場所にあった灯籠に「上総国蓮沼村」の
寄進者がいたことが気になり、千葉まで行ってきたというお話しでした。
下の写真が西宮神社にあるその灯籠で、元禄2(1689)年に寄進されています。
上総国の人ですが善塔や乙馬など西宮でよく見る名前が刻まれています。
上総国蓮沼村は今は千葉県山武市にあたり、そこの五所神社(祭神は天照大神)
にある灯籠は、阪神間では見かけない竿や火袋がぷっくり丸みのある形のもの
でしたが(下右写真)、貞享3(1686)年に寄進されたもので、西宮神社の灯籠に
あるのと同じ名前やよく似た名前が刻まれているということでした。
江戸時代はじめころ、大坂佃の漁民が江戸に出て定住して佃島という地名が
出来たという話は有名ですが、同じように西宮の漁民も関東方面に出て行って
交流したり定住したりしてたようです。
そして地元の神社も信仰して、故郷の海の神様のえべっさんへの信仰も深めて、
灯籠を奉納したのでしょうか。
調査団として地元の石造物調査をすることそのものもおもしろいけれど、
そこからさらに気になったことを独自に調べてみるのもたのしいですと
おっしゃってましたが、千葉まで行ってしまうなんてすごい行動力ですね。