西宮市北部の山口町のだんじり庫の見学会に参加しました。
郷土資料館の企画で普段は見れない飾り付けをする前の状態を特別に見せていただきました。
まずは下山口地区のだんじりは大小二基ありますが、明治28年に作られた大だんじりは
高さが4.4mもあり、摂津河内和泉地区では最大級の大きさだそうで、曳きまわすものと
いうよりは演芸をおこなうための移動舞台として作られたのではと考えられているそうです。
市役所周辺で開催されるにしのみや市民祭りに出演するために西宮神社にやってきた事が
ありますが、あまりに大きいため赤門をくぐることが出来なかったそうです。
飾り幕の付けられていないだんじりは柱だけのシンプルなつくりに見えますが、普段は
なかなか気がつかないところの彫刻がよく見えてとてもすばらしかったです。
小松源蔵という有名な彫師が手がけたものだそうです。
だんじりの舞台?の下の狭いスペースに鳴り物担当の子供3人が乗るそうですが(下右写真・
男性が覗き込んでいるスペース)、幕で覆われて外も見えないし風も通らないし暑そうですね。
次に山口町郷土資料館に展示されているだんじりを見に行きました。
こちらは一年づつ交替で各地区のだんじりが展示されていて、今は中野地区でした。
大きなだんじりを展示室に入れるための大きな扉が壁に作られていますが、これでも
下山口の大だんじりではギリギリではないでしょうか?
そして上山口のだんじり小屋へ行ったのですが、「なんだ、ここならよく通る道なのに」と
言ってた人がいましたが全く同感で、普段は扉が閉めてあるので気づいてませんでした。
上山口も大小二基のだんじりがありますが、こちらの木材はちょっと黒っぽく光っていました。
下山口も上山口も固い松材で作られているだんじりの車輪(コマとかハマと言う)は普段は
はずしてあって、乾燥して割れないように水につけてあります。
(そんな意匠の蒔絵作品があったなぁと思い出したのが、片輪車蒔絵螺鈿手箱)
下山口はだんじり小屋の横にハマ池(プール)がありますが、上山口は少し離れた場所でした。
祭りの一ヶ月から二週間ほど前になるとハマ池から取り出し余分な水分を抜いてから
だんじりに取り付けるそうです。
このハマの取り付け位置もだんじりによって違うそうで、上山口のは本体の枠組みの外側に
出るように取り付けてその上から木枠でカバーをするそうです(下左写真・今は鉄の芯棒が
むき出しで見えています)。
下山口のは本体の枠組みの内側に取り付けられていました(下右写真・収納時は傷んで
使えなくなったハマを代わりにはめて支え、巡行に使うものはハマ池に沈めてあります)。
今年の公智神社の秋祭りは2012年10月7日(日)です。
本来は10月16日だったのが、担ぎ手が会社勤めの人が多くなったので10月10日体育の日に
変更になり(昭和51年)、近年に体育の日が月曜日に固定されたのでその前日の日曜日に
変更されたそうです。
また鳴り物担当は基本中学生だけだそうですが参加希望する中学生だけでは人数が足りず、
小学校高学年ぐらいの子でも希望者がいれば参加を認めていて、さらに足りなければ
経験者の高校生にも手伝ってもらうそうです。
さらに、山口町の5地区7基のだんじりは女性は触ることは出来ないのですが、参加希望の
女性も多いので(特に女の子がだんじりに乗りたいらしい)、伝統を受け継ぐ事も大切だけれど
時代に合わせてすこしづつうまく変えていくことも必要かなとおっしゃってました。
だんじりを管理していらっしゃる地元の方のお話をいろいろ聞くと、今度お祭りへ行ったなら
今までと違った感じ方をして見るのではないかと思いました。
(本文は郷土資料館と下山口自治会からもらった資料を参考にしています)
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西宮山口HP 公智神社秋祭り関連ページもぜひご覧下さい。
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西宮市立郷土資料館 第28回特別展示「西宮の祭礼-だんじり巡行を支える人びと-」
日時:平成24年7月31日(火)~8月31日(金) 10:00~17:00(入館は16:30)
休館日:毎週月曜 入館料:無料
西宮神社のだんじりがやってくる
2012.8.5.(日) 13:15~15:00 西宮市立郷土資料館
巡行の様子を見たい場合は西宮神社赤門に12:50までに集合
赤門13:00出発予定→えべっさん筋を南へ→酒蔵通りを西へ→郷土資料館13:20到着予定
だんじり庫見学・名塩のだんじり小屋を見学 13:00~16:00予定
2012.8.8.(水) 13:00にJR「西宮名塩」駅改札口前に集合
名塩地区のだんじりを保有する8町のうち7町のだんじり小屋を見学予定