2015年10月14日(水)の歴史講座「西宮の祭礼(2)」を聴講した感想ご紹介します。
講師の細木学芸員から現在調査研究中の岡太神社の一時上臈の話を聞きましたが、
このような祭りがなぜ小松村に残っているのかということに注目しているそうです。
文書に残されている内容と、今に伝わる様子のスライドを紹介してもらいました。
小松村の岡太神社に伝わる「一時上臈(いっときじょうろう)」は毎年10月11日に
北講14人と南講10人に分かれた地元の氏子が供物を持ち行列する秋祭りでしたが、
時代の変化により行列奉仕ができなくなり講も解散して保存会へと組織を改めました。
この祭りの歴史は古く、「(平安初期に)こんな供物を用意する祭りがあった」と
書かれた平安後期の記録や「(平安後期に)14人が平重盛のために役に立ったので
樋口の姓を賜った」という室町時代の記録があるそうです(江戸時代1659年の
万治の戸崎切れの水害でその原本が傷んだため概要を書き写した「岡司神社古記」
という写しによる)。
江戸時代にはほかの資料にもこの祭りのことが記されていますが「一時上臈」と
呼んだ記録は古い時代にはなく、これは大阪の野里住吉神社の「一夜官女」という
よく似た祭りの影響を受けているのではないかということでした。
野里住吉神社の一夜官女は毎年いけにえの少女を狒々(ヒヒ)に捧げていたところを
岩見重太郎という武芸者が身代わりに櫃にはいって狒々を退治したという由来が
あるそうで、同じような民話が鳴尾にも残されているそうです。
野里住吉神社は今でも2月に行列を作っての祭りが行われているそうですので
その様子を見に行ってもおもしろそうですね。
歴史講座の次回開催予定は12月9日(水)「江戸時代の神事と仏事」です。
申込 http://www.nishi.or.jp/contents/0002446400040004800699.html