*

井戸からみた阪神地域

      2014/09/09

12月19日(水)の歴史講座「井戸からみた阪神地域―弥生から中世の発掘資料―」を
聴講した感想ご紹介します。

発掘調査で井戸はしばしば見つかるそうで、阪神間の遺跡から出土した井戸について
報告書の写真や図面を見ながら説明を聞きました。

2012.12.19.

まず、井戸は弥生時代の頃からあると考えられているそうです。
ただ飲料用としては川の水や湧き水などを利用することが多かったと考えられていて、
他の理由として稲作に、環濠集落の堀に、青銅器加工に必要だった、などいろいろ
考えられるようですが何をきっかけに井戸が出来たのかはっきりわからないそうです。

また、井戸の構造としても材質で分類したり工法によって分類したりと研究者によって
いろいろあるということも説明がありましたが、井戸枠の材質が素掘り・木・石・土器など
という分類が私には分かりやすかったです。

尼崎の深田遺跡では奈良~鎌倉時代の井戸がとてもたくさんの出土しているとか、
芦屋の寺田遺跡では奈良・平安・室町時代の井戸がひとつずつ、4~5mほど離れた
だけの場所に掘られていたりとか、面白い遺跡を紹介してもらいました。

そして西宮の井戸は、ガーデンズのところにある高畑町遺跡から、奈良時代の
官衙(かんが・役所のこと)にあったような立派な井戸や、井戸枠に甕を使った
平安時代の井戸などが出土しているそうです。

 2012.12.19. 2012.12.19.

さらに今年、西宮神社社頭遺跡で発見された縦板組みの井戸も紹介されましたが
こちらは調査中にもどんどん水が湧いてきて調査が大変だったそうです。

井戸枠の周りにも水が溢れ出す 2012.12.19.

阪神間の遺跡の井戸を比較してみて、奈良時代のものなどは工法などに
そう地域差はないそうなのですが、鎌倉室町時代に大阪や奈良でよく見られる
羽釜を重ねて井戸枠に使うものは尼崎では見られるそうですがそれより西のほうでは
ほとんど見られないなどの特徴もあるようで、さらに詳しく比較してゆくとまた何か
おもしろい発見があるかもしれませんね。

 

 -歴史講座・現地見学会など, , ,

  関連記事

西宮神社の石灯籠に誘われて

市民が語る「西宮いまむかし物語」@にしきた 第2弾 「西宮神社の石灯籠に誘われて ~私が千葉まで旅し

西宮の祭礼の展示解説

郷土資料館の特別展示について、学芸員さんの調査中の苦労話を交えながら、それぞれの 神社や氏子会などの

西宮の祭礼(2)

2015年10月14日(水)の歴史講座「西宮の祭礼(2)」を聴講した感想ご紹介します。 講師の細木学

尼崎藩大庄屋高井家と六甲修験

2015年6月10日(水)の歴史講座 「尼崎藩大庄屋高井家と六甲修験」 を聴講した感想ご紹介します。

西宮の食習

2月20日(水)の歴史講座「西宮の食習」を聴講した感想ご紹介します。

江戸時代の水争い―上ヶ原用水・北郷用水・百間樋―

指定文化財公開展 「上ヶ原用水路」 2012年10月2日(火)~2012年11月25日(日)  西宮

高畑町遺跡出土木製品 学芸員解説

西宮市立郷土資料館で開催中の指定文化財公開展は、昨年2014年に指定された 「高畑町遺跡出土木製品」

観天望気—自然とつきあう知恵と祈りの伝承について—

2015年8月12日(水)の歴史講座 「観天望気—自然とつきあう知恵と祈りの伝承について—」 を聴講

西宮の横穴式石室について

2016年12月20日(水)の歴史講座「西宮の横穴式石室について」を聴講した 感想ご紹介します。 講

震災から20年を迎えて

阪神淡路大震災から20年の今年は特集記事や記念行事などいろいろな面での 振り返りの企画が見られますが