第29回親と子の郷土史講座 平成25年8月17日(土) 13:00~14:30
西宮の傀儡師について 、 大社小学校の梅木先生に教えてもらいました。
西宮という地名は、京都の西のほうにあたる土地の大きな神社という 意味から
きていて、その神社とは古くから大切にされてきた広田神社で、はじめは
和歌の神様として、のちには戦勝の神様として信仰を集めていたということでした。
そして今の西宮でもうひとつの大きな神社の西宮神社は今回の講座のテーマで
ある傀儡子(くぐつし)にゆかりのある神社です。
西宮神社ではえべっさんをおまつりしてるわけですが、えべっさんは七福神の中で
唯一日本生まれの神様で(他はインドや中国の神様たち)、 鯛・釣竿・烏帽子(えぼし)・
三つ葉柏紋がセットになって表現されるそうです。
人形遣いの芸を持った人たちを傀儡子と言い、ふだんは西宮神社に仕えていた
傀儡子が各地を回って人形芝居を見せながらえべっさんへの 信仰を広めていった
ことから、全国にえびす信仰が広まっていったそうで、 この人たちのことを
えびすかきとも言いました。。
また信仰を広めるだけでなく、室町時代には宮中に呼ばれて芸を披露した記録も
あり、娯楽の芸能としても広く知られていたそうです。
この芸能が淡路や徳島に伝わりより大きな人形を操る人形浄瑠璃として変化し、
さらに大阪へ伝わってより洗練された文楽と呼ばれる人形芝居に発展して
いきましたが、発祥の西宮では明治時代には途絶えてしまいました。
そんな伝統を伝えていこうと近年復活した「人形芝居えびす座」のえびすかきを
披露してもらった後は、なんとえびすかきの体験でした。
えびすかきの定番である首からひもで箱を下げた姿になり、えびす座さんの
えべっさん人形を貸してもらい、親子で協力してウナギやタイを釣り上げる
お芝居をしたり、その他小道具を使っての人形遣いを体験しました。
世界的にも有名な文楽のもとは西宮の人形遣いなんだよと知ってもらって
これから古典芸能にも興味を持ってもらえるといいですね。