阪神モダニズム~旧甲子園ホテルの歴史~

第29回親と子の郷土史講座 「阪神モダニズム~旧甲子園ホテルの歴史~」を
生瀬小学校の國村先生と宮崎先生から聞きましたが、なぜか集合場所は実習室。

というのも今回は旧甲子園ホテルゆかりのお菓子を調理実習で作る講座だったのです。

昭和初期の超高級ホテルの洋菓子ってなんだろうと期待が高まりますが、実は
それはパウンドケーキ。
洋菓子作りの技術は神戸に来た外国人などから伝わっているのですが、当時は
まだ冷蔵技術が良くなくて、生クリームなどの保存が難しかったからだそうです。

2013.8.18.

小麦粉・バター・砂糖・卵を同量ずつ混ぜ合わせて焼くのですが、旧甲子園ホテルの
製菓長をしていた人がのちに甲子園口に開店した「ライト洋菓子店」(現在は3代目)で
聞いてみると、当時の材料は小麦粉の目が粗かったりバターが塩っぽかったりと
今のものとずいぶん違うようなので、当時と同じ味を再現するのは難しいそうです。

2013.8.18. 2013.8.18.

ケーキをオーブンで焼いている間に、ホテルの歴史をお勉強です。

戸崎町あたりで武庫川から分かれていた支流の枝川を治水工事で埋め立てたあと、
その土地を買った阪神電車が南のほうを阪神パークや甲子園球場などレジャー地に、
北のほうを甲子園○番町といった住宅地に開発しました。

外国人の宿泊用にホテル建設となったときに、ふつうはレジャー施設の近くに
作りますが、ちょうど国道二号線が開通したばかりのころで、これからは車に乗って
来る人も増えるだろうと考えて国道二号線の北側に建設されることになりました。

有名な建築家フランク・ロイド・ライトの弟子の遠藤新が設計した洋風建築ですが、
外国人客に日本の良さを知ってもらえるように和室を取り入れたり、日本料理の
スキヤキを提供したりしていたそうです。

やがて第二次世界大戦が始まると海軍病院として接収されホテルは閉鎖し、
敗戦後はアメリカ進駐軍に接収され、返還後は特に何にも使われずにいたところを
武庫川学院が買い取って校舎として利用するようになりました。

2013.8.18.

先生の話を聞きながらも、焦げないよう時々確認しながら約30分、なかなかいい感じに
ふくらんできれいな色に焼きあがりました!
出来立てのほかほかを切り分けてさっそく食べて、出来栄えにみんな満足でした。

2013.8.18. 2013.8.18.

社会科の授業は年号覚えるのが大変で面白くないと嫌いになる子も多いけど、
そのときどんなものを食べていたとかどんな洋服を着ていたとか、身近なテーマから
関心を持って社会科を好きになってほしいし、また、本物を見ることが大切なので
今回の講座をきっかけにまずは旧甲子園ホテルの見学に行ってみてほしい
という先生からのお言葉でした。
そして、私たちが暮らしている西宮をもっともっと好きになってもらえたらいいですね。

<平成25年8月18日(日) 13:00~14:30 夙川公民館にて>

 

タイトルとURLをコピーしました