JR神戸線の下をくぐる人が通れるほどの小さなトンネルを通称「まんぼう」と言います。
西宮市内に三つありますが、最近まんぼうの元と思われるものの存在を知りましたので
聞きかじったままにご紹介します。
まんぼうの成り立ちとしては、明治7年に国鉄が開業する際に線路の盛り土の下を
用水路が流れるように作ったトンネルで、後に利便性から人が通れるような大きさに
作り変えたものをまんぼうトンネルというようです。
まず東から見ていくと、JR甲子園口の西に、大人が立ったまま歩くことはできず、
途中ですれ違うこともできないので有名な小さなトンネルがありますが、ここは
北の天井は半円で南は四角くなっています。
これは、明治7年の開業時の様子は分かりませんが、北側の半円部分は明治29年の
複線工事でレンガと石によって作られ、南側の四角いトンネルは大正15年の
複々線工事のときにトンネルを伸ばしたようです。
西に進むと昭和45年に作られた歩行者用地下道がありますが、これはまんぼうとは
言わないようですね。
さらにJR西宮駅から西の阪神西宮駅に近い平松町には谷崎潤一郎の『細雪』に出てくる
まんぼうがあります。
先日通ったときによく見たら、補強のためか壁面にレンガ柄のシートが貼ってあるようで
シートが破れた部分からは本来のレンガ壁が見えていました。
この少し西へいくと万葉苑筋がJR線の下をくぐるところの壁面はレンガ積みなので、
もしかすると開業当初の遺構か?と思うのですが、歩道がなくて危険なのでゆっくりと
見ることが出来ずにいます。
そしてこの安井町辺りに本来の用水路のままのまんぼうがあったらしいのですが、
2007年のさくら夙川駅開業の工事によって暗渠の中に隠れてしまったらしいです。
三つ目は芦屋市に近い大谷町と郷免町をつなぐ「大谷道」と呼ばれるまんぼうで、
トンネルの前後の道は周りの道より急に低く掘り下げられていて、もとからあった
水路を人の通行用に作り替えたらしい感じがよく分かります。
このマンボウは煉瓦積みのアーチ部分が「ねじりまんぽ」といわれる独特な作り方
らしいのですが、現在は平松町同様補強用シートで隠れていて見えません。
上の三つが西宮市内のまんぼうトンネルとして知られていますが、甲武橋の南、
樋ノ口町のレンガ遺構がこれもまんぼうと呼ばれるものではないかと?
今はなにかよく分からない状態ですが、明治の末頃にはこの上に盛り土が
かぶせてあって武庫川の土手に出る道があったということです。
実は私はまだここへ行ったことがないので本当に聞きかじりな話をしたのですが、
参考にした記事はこちらです。
凛太郎亭日乗 http://p-lintaro2002.jugem.jp/?eid=713
今津いまむかし物語 http://nishinomiya.areablog.jp/blog/1000061451/p10754506c.html
写真で見る限りイギリス積みと言われるレンガの積み方でかなり立派なものの
ようなので、一度は見に行きたいとは思っています。
いつ頃まで道があったとかなかったとか、ご存知の方がいらっしゃったら教えてください。