神社をいろいろめぐってると、いろんな狛犬と出会いますが、
狛犬とは神社や寺の本殿などの前に一対で座っていて、向かって右側の
オス狛犬(または獅子)が阿形像、左のメス狛犬が吽形像、という認識です。
ふつうはお座りの姿勢ですが、たまに子供や毬を持っているものを見るので
にわか勉強してみたのですが、どちらかと言えばこれは関東にわりといるようです。
玉取り・子取りと言って、メスと言われる向かって左の吽形像に子供がいることが
多く、その場合に対の阿形像は毬を持っていることが多いようです。
その姿になった出典はまで調べきれずまだよくわからないですが、おそらくは子孫繁栄の
意味の子供と、財産を意味する玉ではないかと思います。
今のところ、西宮市内の神社の子連れは下の五社だけだと思います。
追記:段上の若宮八幡神社の狛犬もおそらく震災後の新しいものと思われますが
玉取り・子取りではなかったかと・・・(2013.12.9.)
南宮神社(西宮神社境内) 台座銘「弘化二年巳三月吉日」(1845年)
吽形像の横に子供が並んでいますが、阿形像の左前脚は破損のため後補されています。
塞神社(ニテコ池東) 台座銘「昭和十二年三月建之」(1937年)
素盞嗚神社(甲子園球場南) 台座銘「文化十三子歳九月吉日」(1816年)
熊野神社(甲子園口) 台座銘「昭和十三年三月」(1938年)
神呪寺(甲山) 台座銘「 (未確認です) 」
左右とも阿形像でしかも右の像が子供を仰向きに押さえつけています
もともと狛犬は神聖なものを守る霊獣として日本に伝わり、平安時代には彩色の
施された木製で社殿の中に置かれていたものだそうです。
時代が下がると建物の軒先や参道へと場所が移り、すると雨ざらしになるため
耐久性のある陶製や石製になり、大型化していったそうです。
また地域によっても姿が異なり、一般的なお座りの形でも江戸は尾が垂れていて
大坂は尾が上向きで扇のように開いているとか、上記のような子連れの
「玉取り・子取り」、大きな玉を抱えた「玉乗り」、前足を折りお尻を高く上げた
飛びかかる寸前のような「かまえ」、などいろいろ分類されるようです。
このほか狐や虎や鼠など神使を狛犬のようにしている場合もあるので(西宮では
猪だけだと思いますが)、じっくり見ると面白そうですね。