西宮神社現地説明見学会

西宮神社で重要文化財保全事業現地説明見学会があるということで、
赤門や大練塀などの修復作業についての説明会に参加してきました。

塗装の塗替えをメインとした赤門(表大門)の修復は昨年完了していて、
令和2年8月に新しくなった門がお披露目されています。

丹塗をやり直す前の調査で金具の下に塗装されていない部分が見つかり、
建設当初は塗装のされていない素木の門だったと思われるそうです。
また、金具を外す修復をしてみて初めて墨書を発見したので、今回は
部分的な補修だった屋根や瓦も本格的に修復や調査をしたら新たな発見が
まだまだあるかもしれません、ということでした。

大練塀は阪神淡路大震災のときに東側の塀が特に被害を受け、平成8年に
昔と同じ版築工法で復元されましたが、近年ひどく崩れてきていました。

今回の修復では、成分を調べて当初と似た土を探したり(六甲山系の真砂土で、
伝説のニテコ池の土ではないらしい)、崩れた部分を補う作業なので残っている
塀と新しい土がちゃんとくっつくような土の配合を考えたりしたそうです。
また土を突き固めただけなので水分にはやや弱く、雨樋や排水溝などの
対策も新たに考えたそうです。


瓦屋根が乗ったままの作業なので地面から壁の途中までしか版築工法は
使えず、残りはコテで塗りこめていき、上部は雨で傷んでいないので
そのままを残す、というとつぎはぎな仕上がりにならないのかちょっと
気になるところですが、文化財を大切に守って残していくということは
大変だなぁと思いながら、見学させていただきました。

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