正月の西宮神社の拝殿前に「逆さ門松」というちょっと変わった門松が作られます。
松の枝が下を向いている門松で、これは1月9日夕方にに町を巡回するえびすさまが
松の葉で目を突かないようにという配慮から作られた形だとの言い伝えがあるそうです。
2008年正月より枝葉の付いた竹に松の枝をつけるという古くからの形のものが
再現されましたが、このときは今よく見る門松の松だけを下向きに飾ったものでした。
2009年からは神社に伝わる文書や絵巻を元に、かつて作られていた形に近いものが
復元されて続けられています。
それは、枝葉のついたままの長い竹にこもを巻き松の枝をさかさまに取り付けたような
ものだったらしく、門前町の家々に飾りつけられた様子はまるで林が茂っているかの
ようだったと伝えられているそうです。
これを奉納しているのは明治9年に西宮神社から分社した三田戎神社の氏子の方々で、
最初の年には、地元三田で松の枝と竹を用意したのですが竹の根を付けたまま
掘り出してみると長さ15mもあったため、さすがに長すぎるという事で長さ8mほどに
整えて運んできて、西宮神社の神職と相談をし試行錯誤しながら拝殿の前に
飾り付けていったそうです。
今では8~9mほどの竹に松をある程度取り付けたものを三田で用意してきていて、
社殿のすす払いが行われている横で二本の門松を立てて飾り付けていきます。
正月から十日戎の期間までその立派な姿を見ることが出来ますので、
お参りに行かれた時はちょっと注意して見てください。
(「西宮流観光案内所」2009年12月の記事をもとに一部書き直しています)
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