日本の伝統的酒造り

日本の伝統的酒造りがユネスコの無形文化遺産に登録されることになりました。
ちょうど12月4日から白鹿記念酒造博物館で「伝統的酒造りの近現代」という
展示が始まったので、解説を聞いてきました。
 西宮流記事 https://nishinomiya-style.jp/blog/2024/12/05/60692


「伝統的酒造り」というのは、近代科学が成立普及する以前からの経験によって
得た酒造の知識や技術を指し、米や麦を原料にし、カビの一種のこうじ菌を使い、
もろみを発酵させてアルコールを作る、というものを指すようです。
なのですべて手作業で作る昔ながらの酒造りだけではなく、効率化する改良は
加えながらも基本的には500年ほど前からの製法を基に作る工場生産の酒も、
伝統的酒造りを踏襲しているということのようです。
また日本酒だけでなく焼酎・泡盛・みりんなども含まれます。

白鹿記念酒造博物館の今回の展示では、江戸時代からの丹波杜氏の酒造り、
全国に広がる丹波杜氏の技術、技術向上を目指し明治政府が醸造試験所をつくる
(酒税収入増加が目的)、など伝統的酒造の近現代化の歴史がよくわかりました。

伝統的酒造りの近現代 2024.12.4(水)~2025.3.3(月) 
https://sake-museum.jp/exhibitions/2402/#ex-2404



ところでユネスコの無形文化遺産とは、儀礼祭礼行事、伝統工芸技術、芸能など
土地の歴史などと密接にかかわる形のない文化遺産を保護する目的で選ばれます。
日本では2013(平成25)年の和食など22件が登録され、酒造が23件目になります。

また、600件余りの世界中の登録のうちで酒造りに関するものは、
2013年古代ジョージアの伝統的ワイン、2016年ベルギーのビール文化、
2019年モンゴルの馬乳酒、2022年キューバのライト・ラム、
2022年セルビアのプラム蒸留酒、と5件あって日本の酒が6件目となりました。

アルコールは糖が酵母によって発酵してつくられます。
ワインは原料のブドウに糖が含まれているので、原料をそのまま発酵させる
「単発酵」で出来上がります。
ビールは大麦のでんぷんを麦芽によって糖化させる作業が終わってから、
次に酵母によってアルコール発酵させる「単行複発酵」になります。
日本の酒は醪(もろみ)の中で、米を麹(こうじ)によって糖化させつつ、酵母による
アルコール発酵を同時にするという「並行複発酵」でつくられます。

酒と言ってもこんなふうに製造方法が違うのだなというのは、今回改めて
本を読んだり勉強してみて面白く感じました。
でもまぁそんな難しいことは抜きにして、これからもおいしい日本酒を
飲んでいきたいなと思っています。

 

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