横浜と神戸の外国商館などを銅版画で描いた『日本絵入商人録』(明治19年)から
横浜居留地の消防署などを参考として。(国立国会図書館デジタルライブラリーより)
238番 横浜消火組 (コマ27)
消防道具は見えませんが、手前の小屋と立派な火の見櫓が消防署になるのかな?
横浜山手59番館 エム・ゼー・ビー・ノルドヘキト M.J.B.NOORDHOEK HEGT (コマ47)
商館の図はなくて消防ポンプと広告文が載っています。
拙者多年消防便利ノ器械ヲ製造センコトヲ常ニ希望
罷在今般漸々工風ノ茲ニ至リ願済ノ上製造相整タル新
発明器械ノ義ハ至極便利ニシテ狭隘ノ場所及ヒ舟中ニ
於テモ使用スル実ニ軽便ニシテ且ツ価モ廉ナリ既ニ米国ニ於
テ喝采ヲ得タリ此器械自分ハ素ヨリ常備致置庶民
ノ為メ出火ノ際相用ヒ危難ヲ救フコト廔ナリ因テ御注文アラ
ハ需求ニ応ス諸君宜シク器械用法御経験ノ上一器械
ヲ非常ノ多備ヘ置レナバ自分モ亦タ大幸ナリ
但シ消防器械ノ義ハ重サ一百五十ポンドナリ筒口大ナ (重さ約68kg)
八分ヨリ一寸ニシテ水ノ高サ六十尺ヨリ七十尺ニ達ス又タ筒 (口径約3cmで水高約20m)
口大サ五分ニスレバ高サ四十尺ヨリ五十尺ニ上ルナリ (口径約1.5cmで水高約14m)
176番 モルフ商会 H.C.MORF (コマ50)
消防ポンプと火災現場へ出動の様子らしいものが描かれていて、1ページ前には商館の図と
1860年起業と紹介されています(下図右ページは別の商館です)。
参考資料
図版|東京都立図書館 (tokyo.lg.jp)
銅版画からみた明治10年代後半の銀座の都市構造と建築/初田亨
明治期商家銅版画資料に関する歴史情報学的研究/菅原洋一
『明治の商店―開港・神戸のにぎわい』/大国正美編/神戸新聞総合出版センター(2017)
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