偶然に竜吐水の絵をいくつか見つけました。
国立国会図書館デジタルコレクションより 『火水風災雑輯(2)』
コマ29と42に同じような資料が収集されていたので並べてみましたが、
本来の寸法は左が30×20cmぐらい、右が40×15cmぐらいになります。
<コマ29・画像左資料>
恵志の上手御作
南無大火大事安全明王
ほうぼうくわじの
うれひをのかしたまふ 大矢山
今日不吹誰誥合
春風春水一時来
おんそろそろ 月行寺
ふいたりやそわか
御供物 のし水引に及ばず清らかなる
正のものを正で御備可被成候
不動明王をもとにしたしゃれの効いた護符のようなものだと思われます。
一行目の「恵志」は変体仮名の「えし」で「絵師」のことでしょうか?
仏様の名前が「大火大事安全明王」で火事の憂いを取り除く御利益があって、
中央の漢文はよくわからないのですが、真言が「そろそろ(風が)吹いたり」?
お供え物には「清らかなる正のもの」がよいそうですが「正のもの」って?
寺名の「大矢山月行寺」は町を管理している立場の「大家さん・月行事」を
もじってあるのではないかと思います。
絵の方も、光背が火焔ならぬ水煙で手には消火道具やなぜかお弁当?
台座が竜吐水の箱と腕木の部分の他に用水桶や玄蕃桶などです。
足元の狛犬のような二匹の子犬がかわいいですね(笑)
『地震風火水災綴』という表紙で江戸時代のいろいろな災害関連の資料が
収集されているので年代など全くわかりませんが、他の資料にもすこし
気になるものを見つけたので、また紹介しようと思います。
- 竜吐水調査に関連する調べ物の覚書 -
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