去年からお手伝いさせていただいていた芦屋の親王寺さんの屏風解体調査ですが
すべて終わってはいませんがひとまず終了となりました。
下張りの紙は大きさも厚みもいろいろの切れ端や、ふすまに使われていた墨絵や
軸装の唐紙のようなものまで貼られていて、はがし作業はとても大変でしたが、
なかなか体験することのない作業に係われて興味深かったです。
屏風は持ち運びもむつかしくないので全く別の場所で作られて運んだ可能性も
あるのですが、そういう時に下張りに使われてる反故紙の内容がカギになります。
まずはひたすらはがす作業を進めていたのでまだ詳しくは見ていないようですが、
私が見た中では紙に対して斜めに「西宮久保町」と書かれたものがありました(下左)。
不思議に思っていると先生がクルクルと巻いて手紙の包み紙だと教えていただき
さらにその本文と思われる紙も見つかりました(下右)。
また最終日には「西宮札場筋南久保町」とか「為野東二郎」と書かれた文書が
いくつかまとまって出てきたので、先日の手紙の「西宮久保町 為野様」と関係が
あるかもしれないなと思いましたが、作業はここまでです。
今後は親王寺さんと檀家の方々が相談してお寺に保存していかれるようなので、
芦屋にある古文書を読む会の方々などが内容を確認していってくださるなどで、
何か面白いことが分かったらいいなと思いました。
(史料写真掲載は許可を頂いています)
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