ふすまの下張り文書はがし作業

尼崎市立地域研究史料館でのふすまの下張り文書はがし作業に参加してきました。
http://www.archives.city.amagasaki.hyogo.jp/events/shitabari/

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まず初参加のメンバーには、ふすまの下張りとは?というところから説明です。
芯となる木の枠に下地となる紙を何層かに貼り重ねていき最後に絵画や書などの
表紙を貼るのですが、下地に使う紙は書き損じや古い帳面など不要となった紙を
再利用しているため、当時はゴミでも今の時代には重要な歴史資料となりうる
ということで、はがし作業が必要となります。

作業したのは、琴秋閣(きんしゅうかく)という旧秋岡政次郎邸に使われていた
ふすまの一部で、明治時代頃からの文書が下張りに使われているそうです。

全体の記録写真を撮ったり、状態を調査台帳に記録したり一枚ずつに 資料番号を
付けたり、という作業はまだよくわからないので、糊で張り付いている紙を
ひたすらはがすという作業を体験しました。

普段の宗門帳調査では資料を濡らさないようにと言われているので、固まった糊を
はがすために水を含ませたり(しかも思ったよりたくさん)、さらに場合によっては
修復の専門家による監督・指導のもと細心の注意をはらってアイロンで熱を加えて
糊をふやかすこともあるなどというドキドキしながらの作業でした。

糊の具合によっては、湿布と台紙をはがすかのようにあまり抵抗なくはがせたり、
かと思うと二枚の紙の繊維がからまって片方が破けそうになったりもするので、
竹べらやピンセットでちまちまとほぐしたり、レーヨン紙で裏打ちするように
保護しながらめくったり、などいくつかの方法を教わりました。

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詳しい内容はこれからの調査ですが、出納帳や魚を購入した通い帳のようなものが
出てきたりして、これを調べたら当時の秋岡さん家のやりくりがわかっちゃう?
などと参加者内で盛り上がりました。
また「西宮戎前江川印刷」なんて社名入りの用紙も出てきたのでびっくりでした。

立ち姿勢や中腰はちょっとしんどかったので座って落ち着いてできる作業に
してもらいましたが、それでも息をつめて肩が凝ってとても大変な作業でした。
でもとても楽しく勉強できたので、また機会があれば参加したいと思いました。

 

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