関西学院大学博物館で開催中の「復元研究 よみがえる小袖−今と昔の職人技−」
の講演会を聞きに行ってきました。
http://museum.kwansei.ac.jp/exhibition/exhibition02/
2017年1月16日(月)〜3月25日(土) 関西学院大学博物館(時計台2階展示室)
下着だった白い小袖が表着になって派手になり信長も片身変わりの小袖を着ていた、
お市の方の孫にあたる東福門院和子(後水尾天皇中宮)が京都の雁金屋に多くの着物を
注文していた、平和になった世の中で町民も貴人たちの装いをまねするようになって
ぜいたくな着物を着るようになったため禁令が出された、など時代背景を聞きました。
そして当時の衣服の現存する断片や、ファッション誌のような「雛形(ひいながた)」
という史料を研究して当時の手法で復元してみようという着物職人の作業の様子や
苦労話をいろいろと聞き面白かったです。
寛文頃・東福門院和子が着たと思われる金糸刺繍に鹿の子絞りの贅沢なもの
天和頃・禁令が出て金糸不可→金箔摺り、鹿子絞り不可→鹿子柄の染物に変化
そのあと元禄以降に友禅染がひろまり軽やかな着物に変わっていくそうです。
実はこれらの小袖については復元研究に取り掛かった初めの頃の2007年の
講演会に行った時に2種類の復元品を見ました(この記事に使用の技法の写真は
この撮影可の時に撮ったものです)。
その後2009年に関学の時計台内を博物館にするというときの展示と講演会に
行って4種類の復元品とメモを書いてるのに何を見たか覚えておらず自分の
ぼんやり加減にがっくりです(撮影禁止でメモ用の写真が残せてなかった)。
今回は3種類の展示でしたが5種類目にあたる?現在復元中のものが夏ごろには
完成予定ということでまた新しいのが公開されたら見に行きたいです。