海獣葡萄文鏡の成立-唐代前期における技術と美術-

第29回西宮市内博物館等連携講座  2015年11月18日(水)
「海獣葡萄文鏡の成立-唐代前期における技術と美術-」
 (講師・黒川古文化研究所の川見典久さん) を聴講した感想をご紹介します。

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海獣葡萄文鏡(かいじゅうぶどうもんきょう)とは、古代中国の唐の時代ごろに
盛んに作られた銅鏡の種類で、鏡の背面の文様が獅子・竜・天馬・鳥・昆虫など
いろいろな生物とぶどうの図柄で、もとは中国で呼ばれていた名称だそうです。

海獣とは中国の外の世界の獣というような意味だったのではないかということ
ですが、海の動物と勘違いするので最近の中国では禽獣葡萄文とか瑞獣葡萄文と
言うようになってきたそうです。
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もともとぶどうは中国にはないものでしたが、ヨーロッパからシルクロードを
伝って葡萄唐草文で装飾された器などが入ってきたそうで、ペルシャやローマの
よく似たデザインの装飾なども紹介されました。

植物のぶどうやほかにも獅子(ライオン)などの中国にいない生き物も貢物として?
中国の皇帝の元に集まっただろうから、そういう生き物を実際に見てデザインを
考えた、珍しい生き物満載のとてもめでたい鏡なのかもしれませんね。
(左写真やや左寄りに上から見た獅子、右写真中央に蝶のような昆虫)
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鏡づくりの技法の発展についてなども説明がありましたが、この講座では肉眼では
見れない細かい部分の細工を拡大したスライドでの説明がいつも面白いですね。
(この記事の写真はスライドで紹介された様子を写したものです)

このほかにも中国鏡をあつめた展示が行われています。
中国鏡でめぐる神仙世界」 2015.10.17.~11.29.
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次回は第30回西宮市内博物館等連携講座
「箱書の伝えるもの」 2015.12.2.(水) 13:30~15:00
講師:青木政幸(辰馬考古資料館)

 

 

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