中国絵画の樹木表現とその意味について

第16回西宮博物館・資料館連携講座「中国絵画の樹木表現とその意味について」
2014年3月5日(水)を聴講した感想をご紹介します。

今回の講師は黒川古文化研究所の竹浪遠さんで、まずは植物の描かれた絵画を
古代からたどってみました。

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中国では古くから詩にたくさんの種類の樹木がうたわれていて、墳墓の壁画や
埋葬品にも木を描いたものが見られるそうですが、あくまでも人物を描いた
絵の背景の一部といった感じの表現です。
それでも、梧桐(アオギリ)は鳳凰の住む木、槐(エンジユ)は出世の象徴、
桑は再生の象徴、松は長寿の象徴などいろいろな意味を持っていたようです。

その後、北宋時代頃から文人画が盛んになると、松は「澗底(かんてい)の松」
といって才能があっても身分が低いために報われないことの象徴に変わり、
松そのものを大きく描くようになりました。

さらに宋以降の山水画には寒林が多く描かれるようになり、俗世間から離れた
高潔な心持ちだけどその力を十分に発揮することができないという
胸中のわだかまりを表現するようなものになったそうです。

松や寒林の他の樹木も描かれることはあっても、特にそれに意味を持たせて
表現されていることはないそうです。

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時代ごとの松の表現を比べましたが、唐までは笠形の塊のように葉を描き、
宋以降は松葉を上から見た車輪型に描くようになったそうです。
ただ日本にも平安時代に唐から伝わったこの笠形の表現が能や歌舞伎の
背景の松に残されているというのが面白かったです。

意匠としては松竹梅でめでたい ものとしても扱われているということで、
中国美術を所蔵する関西の三館が連携して展覧会を開催しているので
見に行っても面白いかなと思いました。

「竹の美」  大和文華館(奈良) 2014.2.21.~3.30.
「梅の美術」 泉屋博古館(京都) 2014.3.8.~5.6.
「松」    黒川古文化研究所(西宮) 2014.4.19.~5.18.

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次回は第17回西宮博物館・資料館連携講座
「笹部新太郎翁とさくらコレクション」 担当:白鹿記念酒造博物館
2014年3月26日(水) 13:30~15:00 白鹿記念酒造博物館2階視聴覚室
聴講無料。入館料500円が必要

 

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