18世紀の古文化財調査 『集古十種』刀剣篇の成立過程

第39回西宮市内博物館等連携講座  2016年9月8日(木)
「18世紀の古文化財調査 ―『集古十種』刀剣篇の成立過程 ―」
(講師・黒川古文化研究所研の川見さん) を聴講した感想を一部ご紹介します。
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江戸時代後半、寛政の改革で有名な松平定信が老中の職を退いたあと、柴野栗山・
住吉広行・ 谷文晁・喜多武清・広瀬蒙斎・白雲・大野文泉など多くの好古の士を
各地の 寺社に行かせ宝物を模写させてもらい情報を集めるということをしました。
それらをまとめたものが『集古十種(しゅうこじっしゅ)』という古美術などの
図版カタログのような本で、数年かかって全85冊に印章・楽器・文房具・鐘銘・
碑銘・兵器などいろいろなものがまとめられています。

兵器に関してはほかの分野と比べて分類が細かいそうで、それは『武器図説』
という本が参考にされたからではないかということです。
この本を書いた武士の有職故実の家柄である伊勢家にはその前にもいろいろな
古武器の資料が残されていて、それは江戸時代中ごろに徳川吉宗が作らせた
『享保名物帳』という刀剣類をまとめた書物からの関連もあるもののようです。

そのあたりの成り立ちに関して現在研究中です、というお話しでした。

『集古十種』 国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2592625?tocOpened=1
『武器図説』 国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2565225?tocOpened=1

 

黒川古文化研究所 第116回展観 「武士が描いた絵画」
2016年10月15日(土)~11月27日(日)
http://www.kurokawa-institute.or.jp/newpage2.html

 

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次回は第40回西宮市内博物館等連携講座
「下り酒と樽廻船」 2016.9.29.(木) 13:30~15:00
講師:大浦和也(白鹿記念酒造博物館学芸員)
※この回のみ白鹿記念酒造博物館にて開催・要入館料
http://www.nishi.or.jp/contents/0003919900040004800699.html

 

 

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