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近世酒造史研究を顧みて

第13回西宮博物館・資料館連携講座 「近世酒造史研究を顧みて」
2013年12月25日(水)を聴講した感想をご紹介します。

今年から参加の白鹿記念酒造博物館の学芸員の大浦和也さんの講座で、
江戸時代の酒造りに関してなされている多種多様な研究をまとめてみる
という内容でしたので、印象に残ったことをいくつか紹介します。

2013.12.25.

西宮を含む摂津国は酒造先進地であるため江戸時代の酒造史研究の中心でも
あるそうですが、そもそもなぜこんなに発達したのかというのは私は
あまり気に していませんでした。

清酒発祥の地といわれる伊丹があるし消費者の多い大坂が近いからという程度に
思っていましたが、実は原材料の米の入手が重要だったそうです。
というのも全国の米が集まる大坂市場に近いため、主原料の安定供給が見込めて
コストも安定していたというのが初期には重要だったそうで、より酒造りに適した
品種の米(今で言う酒米)を使用していくようになるのはもう少しあとだそうです。

そしておいしいお酒を造るのに欠かせない杜氏ですが、腕のいい杜氏達は
高給で他の酒造地へひきぬかれていくことが多く、生瀬杜氏や灘・播磨杜氏などの
時代があって、今も有名な「丹波杜氏」に落ち着いたそうです。

2013.12.25. 白鹿酒蔵館

また、江戸時代には灘(を含む摂泉十二郷)の酒以外は各地で小規模に作っている
程度かとイメージしていましたが、実は江戸に出荷される酒は中国酒といわれる
尾張・三河・美濃地域の酒が灘に次いで多かったそうです。
これは海運に適した土地柄とか、幕府が江戸への入荷の規制をしている時期でも
尾張徳川家の威光?で規制を緩めてもらったりなど有利な条件があったようです。

このほかにも、原料の麹を販売していた店の研究とか、輸送手段やルートの研究や、
各地域での酒造業の発展とか、ほんとにさまざまな項目の研究があるんだなと
言うことがわかり、興味深い講座でした。

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次回は第14回西宮博物館・資料館連携講座
「古代白眉の名剣-陰・陽剣と三寅剣-」担当:辰馬考古資料館
2014年1月15日(水) 13:30~15:00 西宮市立郷土資料館2F講座室
聴講無料。資料代500円が必要。

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