火事がないか見張るための施設「火の見櫓」はかなり立派に描かれています。
馬喰町の図の火の見櫓は実際にここまで高かったとも思えませんが、感覚としては
本当にこれぐらい目立って感じていたのかもしれません。
天保5 (1834)「江戸名所図会」1巻コマ62
安永8 (1779)「繪本江戸みやげ」コマ5 寛政元 (1789)「嘘無箱根先」コマ8
櫓には火事を知らせる半鐘も架かっているようすもわかります。
また高いはしごに半鐘が架かっているだけの「火の見はしご」も風景の中に
にょきっと描かれていることもあります。
これは見張り用に長居はできそうにないから、いざ火事を知らせる時に上って
半鐘を叩いて火事を知らせるものでしょう。
寛政8(1796)「万八伝」コマ15 天明3 (1783)「御先癖下手横好」コマ14
火の見の櫓やはしごは自身番屋の上に作られることが多いようです。
史料は国立国会図書館デジタルコレクションより。
———– 追 記 ——————————————————————
自身番の上の火の見の様子を説明している本を見つけました。
『イラスト図鑑 大江戸暮らし』大江戸探検隊/編著 (PHPエディターズ・グループ) 1999年
屋根の上に火の見台(物見台)があってそこにはしごが取り付けられているようです。
また入り口には消火道具と捕物道具が備え付けられています。
- 竜吐水調査に関連する調べ物の覚書 -
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