今年5月には西宮消防局に保存されている喞筒(そくとう)と呼ばれる金属製の
消防用ポンプなどを調査に行きました。
「大社村 第壹部消防組」が「大正二年 三月新調」したもので、製作所は
「第七五八〇號 専賣特許 大阪市北区中之嶋五丁目 河野商會」でした。
その後別の竜吐水の調べ物で尼崎市立地域研究史料館に行った時に、ついでに
目的以外の文書群の目録を見ていたら、「河野喞筒製作所消防ポンプカタログ」が
目に留まり、ん?河野の喞筒…?! と資料を出してもらうと大当たりでした!
(以下の写真は尼崎市立地域研究史料館所蔵の柳川啓一氏文書の資料より)
目次には住所も専売特許番号も同じ記載があり、見た限りではこの↑画像のタイプが
西宮消防局の物に似てるのですが、この図には専売特許番号の記載がないのです。
そもそもカタログの発行年の記載がなく史料館の目録にも年代が大正としか載って
ないのですが、カタログに掲載されている、品評会でもらった賞や販売先からの
証明書の日付を確認すると、明治14年6月付から大正13年4月付までありましたので、
西宮消防局の大正2年製は旧型でこのカタログには載ってないかもしれませんね。
これら証明書の外にも販売実績として記載されているのは、今の西宮市域で言うと、
有馬郡生瀬消防組や武庫郡今津町・越木岩・芝村の消防組や西ノ宮町役場や
西宮醸造株式会社など、大阪や京都など近畿地方、岡山・広島・香川・山口・福岡・
静岡などにも若干の販売先があったようです。
竜吐水調査の本筋からはやや脱線していますが、西宮市にもこういう資料がないか
探してみるのもおもしろそうだと気が付いたのでよかったです。
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