調査団 竜吐水班・東京商工博覧絵

たまたま見ていた明治時代の資料に竜吐水を見つけました。
『東京商工博覧絵』は当時の商店や事業所などの様子を銅版画で表したもので、
第一編は明治16年、第二編上下は明治18年に発行されました。
これは制作者側が企画して掲載希望者を有料で募集した商店のPRカタログの
ようなもので、明治10年代~30年代にかけての約20年の間に全国あちこちで
似たような冊子が発行されているそうです。
商店側の意向で店先がより賑わっているようにされていたり、そもそも銅版画師の
技量も様々なので、当時の状況を忠実に描き写しているとは言えないと思いますが、
参考資料にとまとめてみました。

国立国会図書館デジタルライブラリーにもあるのですが画像が少し荒いので、
よりきれいに見えるフランス国立図書館(Bibliothèque nationale de France; BnF)の
デジタルライブラリーGallicaで公開されている日本資料の中から引用します。
東京商工博覧絵 第二編 上 https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/btv1b10515409m
東京商工博覧絵 第二編 下 https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/btv1b105154085
利用規約 https://gallica.bnf.fr/edit/und/conditions-dutilisation-des-contenus-de-gallica

東京商工博覧絵第二編の約350軒の中から見つけた竜吐水の図は10軒でした。
店の表口の軒下に吊り下げてあるのが多いです。
 
 
 

建物の側面の方に備えてある店もありました。 
 
 
業種は繰綿問屋・洋服裁縫店・呉服店・銅鉄物問屋・書籍問屋・両替商など
いろいろですが、建物は木造や土蔵などの日本家屋でした。

参考資料
図版|東京都立図書館 (tokyo.lg.jp)
銅版画からみた明治10年代後半の銀座の都市構造と建築/初田亨 
明治期商家銅版画資料に関する歴史情報学的研究/菅原洋一
『明治の商店―開港・神戸のにぎわい』/大国正美編/神戸新聞総合出版センター(2017)

- 竜吐水調査に関連する調べ物の覚書 -


これは西宮歴史調査団公式ブログではなく、団員による個人的なブログです。
西宮歴史調査団についてのお問い合わせは西宮市立郷土資料館まで。
西宮市川添町15-26  tel:0798-33-1298  月曜休館

タイトルとURLをコピーしました