徳川期東六甲採石場における西国大名の石切り

第44回西宮市内博物館等連携講座  2016年12月1日(木)
「徳川期東六甲採石場における西国大名の石切り」
(講師・西宮市立郷土資料館の森下さん)を聴講した感想をご紹介します。

まずは豊臣時代の大坂城築城の流れから徳川時代の大坂城再築は三期にわたり
今見る大坂城の姿になったという変遷について確認をして、再築に係わった
大名の様子や現在甲山周辺に残る石切り場のことなどの話がありました。

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大坂城再築の前に江戸城普請のうわさがあった時に石の手配がちょっと遅くて
石の確保はできなかったけど江戸普請は噂で終わったのでよかった、との苦労や、
あの藩は石垣の目立つ場所を担当したいと申し出たけれどそれにしては工事が
遅くてどうなってるんだ、と様々な思惑が入り混じっていた様子など、
残っている文書からわかる話はちょっと面白かったです。

また東六甲採石場の東の端の甲山の石切場では、切り出した残骸だけではなく
すぐにでも使えそうな石がかなり残っているので、これは石の確保に苦労した
経験からまた数年後にあるかもしれない普請手伝いの時のために予備として
残しておいたものではないかとも考えられるそうです。

近々甲山での調査に取り掛かるそうなので、興味深い発見があるといいですね。

関連記事:第26回西宮市内博物館等連携講座「天下普請を支えた採石丁場」

 

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次回は第45回西宮市内博物館等連携講座
「弥生青銅器の併行関係論―序―」 2016.12.22.(木) 13:30~15:00
講師:青木政幸(辰馬考古資料館学芸員)
http://www.nishi.or.jp/contents/0002037400040004800699.html

 

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