第48回西宮市内博物館等連携講座 2017年6月8日(木)
「考古学における用途認定―入門考古学3―」
(講師・辰馬考古資料館館長の上原真人さん)を聴講した感想をご紹介します。
地面に埋まっている昔の人の生活の道具や痕跡を掘り出して調べるのが
考古学の研究ですが、出土遺物には当然説明書きはないし完全な形で
残っているものばかりでもありません。
そんな状態のものを何に使われていたものか調べる方法として、
・現代の道具や少し前まで使われていた民具といわれるようなものから類推する
・埋まっていた状態や出土遺物そのものに残る使用痕を観察する
・復元品を作って使用実験をした結果を分析する
などがあるということを具体例を挙げながらのお話でした。
例えば土器の小皿があったら一般的には食器用と思われるけれど、同じような
形状だけど内側にススの痕跡が見られるものは燈明皿として使われていたと
推測することができます(出土状況などと合わせて)。
ただ現在も似たような道具があっても使い方が同じかどうかわからなかったり、
地域によって使用方法や発達(細分化)や名称などが違ってきたりするので
いろいろな方面からのアプローチが必要になるようです。
このようにあれこれ考えるのはおもしろそうにも思えますが、ちゃんと
研究する人にとっては大変な作業でもあるなとあらためて思いました。
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次回は第49回西宮市内博物館等連携講座
「弥生時代集落の特性について」 2017.7.13.(木) 13:30~15:00
講師:西川卓志(西宮市立郷土資料館学芸員)
http://www.nishi.or.jp/contents/0002037400040004800699.html