調査団 竜吐水班・161115・大庄屋岡本家

瓦林の大庄屋岡本家にも竜吐水が残っているということで調査に行きました。
こちらには二台の竜吐水が残されていて、納屋に置かれている方は年号など何もなく
製造者名の焼印がなぜかいろいろありました。

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上写真のピンクの矢印の水の通る柱の正面には「西宮 本町通 細工所 □□」
とありますが、□の部分が「走」のような「しんにょう」のような、他のパーツの
隙間にあってちょっとよく読めませんでした(下写真の左と中)。
西宮の本町通りとはえべっさんの門前の通りだと思うのですが、そこに建具屋さんか
大工さんかこういうものを作る店があったのですね。
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そして腕木と本体側面には別の焼印があり、字が薄くて読みにくいのですが
「大坂難波本願寺門前 萬龍水細工所 三右衛門丁平野屋□□□」ではないかと。
ただ現地調査後に写真をあれこれしてみると「難波」ではなく「阿波」ではないか
とも思えてきました(上写真の右)。
三衛門町は現在の大阪市西区西本町2丁目あたり(靭公園の少し南)になり、
以前調査した山口町郷土資料館の竜吐水にあった「大阪阿ハさ 上通二丁目
大坂阿ハざ 戸屋町三丁目」のすぐ隣り町ぐらいになるようです。

 

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もう一台は納屋の軒下に吊るされていて、「岡本(家紋)」と両側面にはそれぞれ
「紀元二千五百四十年」と「明治十三年 辰十二月」の銘があります。
そしてこちらにも二種類の焼印があり「大坂 天神橋一 丁南川村」というのは
じつは納屋の竜吐水にも同じ焼印がありました(上写真左)。
もう一方は側面と腕木に「製造所 大坂釣鐘町 川村□□□ 天神橋通住」とあり
これは以前調査した山口明徳寺の「大阪釣鐘町二丁目 … 川邨卯兵衛製造」
同じかもしれない?と妄想しています。

今までのは一台に複数の製作所名があることはなかったので、びっくりしています。
それと、江戸時代の大坂の地図がいるなぁと思っています。

 

-活動日2016.11.15.(火) 団員7名+学芸員3名-

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