公民館講座で廣田神社の西井宮司から広田神社の摂社末社についてのお話を
伺ったのですが、ちょっと脱線の話の方をご紹介したいと思います。
現在、伊勢神宮の神様に日々お供えされている御料酒は全て白鷹株式会社が
献上しているという話は西宮の酒造業の話を聞くたびにと言ってもいいぐらいに
よく聞く話でしたが、選ばれた理由は知りませんでした。
白鷹株式会社HP http://www.hakutaka.jp/ise/index.html
これが西井宮司のお話によると、どうやら意外なご縁があったらしいとのことで、
お話と頂いた資料をまとめると以下のようになります。
天保11(1840)年に伊勢御師(おし)の澤瀉(おもだか)家の三男に生まれて
同じく御師の中田家の養子となった正朔(せいさく)と言う人物がいたそうです。
この中田正朔は明治13(1880)年に伊勢神宮の禰宜になり明治20(1887)年に
皇學館の初代館長となった優秀な人物だったようですが、明治26(1893)年に
廣田神社の宮司として西宮に来られたそうです。
そのときに西宮町のおいしいお酒たちと出会い、なかでも白鷹のお酒を気に入り
当時の白鷹当主の辰馬悦蔵と懇意になったらしいです。
後年神職を辞した中田正朔は伊勢に戻り、のちに酒屋をはじめ、大正7(1918)年に
澤瀉家の後裔が白鷹の三重県下の取り扱いを一手に引き受けるようになりました。
その後大正13(1924)年に御料酒を決める機会があったときに全国の蔵元から
選ばれて白鷹が神宮御料酒となりました。
白鷹が選ばれる以前の御料酒は地酒?全国各地から?などまたいろいろな疑問も
わいてきましたが、この話を聞いて、この酒屋の働きかけがあったかなかったかは
わかりませんけれど、良いお酒なのはもちろんですが伊勢神宮と西宮の酒の両方に
ゆかりのある人物がいたからこそ選ばれたのかもしれないと興味深く思いました。
<2012.4.17.火. 「廣田にまつわる大社のはなし」 大社公民館講座を聴講して>