国道43号線の南、市役所筋を挟んで札場筋から用海筋に宮水地帯は広がっている。
市役所筋を数十m南に下がった左側に「宮水庭園」がある。
阪神淡路大震災の前は、それぞれ独立した宮水井戸であったが、震災後お互いの垣根を取っ払って一つの庭園に整備した。
庭園内には北から「大関」「白鹿」「白鷹」の宮水井戸がある。
庭園内で目に付くのは、緑の植え込みにステンレスの半球状の蓋が多くみられ、宮水井戸の鶴瓶や「板石道」に使用された石が組み合わされたモニュメントが見られる。
道路沿いには灘の酒造りに関する多くの歴史的説明版が設置されており、酒造りを詳しく説明している。
庭園には砂利がほぼ全面に敷かれていて、その中に瓦である模様が描かれている。
これは西宮で作られる日本酒の流れを表している。銅板説明版には以下のように記されている。
この井戸場の風景は、酒造りに無くてはならない宮水と六甲の山並みを現代の我々に見せている。井戸場の波は「六甲」と、樽廻船が出航していった「紀伊水道」の二つの方向を指している。井戸の波は、明るい空と白い雲、そして濃い緑を映している。’うまい酒”の源である二つの方向と晴れやかな西宮の風景は、これからも変わらない。この井戸場のデザインは、変わらない資源と新しい創造的な時代を象徴している。
1997.8 岩崎敬・杉浦忠雄”
宮水庭園は平成9年(1997)度、「第2回西宮市都市景観賞」を受賞している。
「三つの酒造会社が協力して、境界の塀を取り払い、「宮水」の視覚化をテーマに井戸場を開放的に集計しました。西宮の酒蔵地区のイメージアップに貢献しています。(受賞説明より)」