津門西口町にある昌林寺(浄土宗)は、多田源氏ゆかりの寺と伝承。
境内には、幸寿丸の首を洗ったという明星池(首洗いの池)が残されている。
春には、枝垂れ桜がきれい。
昌林寺・・・ご本尊の木造阿弥陀如来立像は国指定重要文化財で、安阿弥様といわれる鎌倉時代後半期の形式で作られている。
脇侍の勢至菩薩像と観音菩薩像は西宮市指定文化財で、こちらは作風から室町時代前半ころの作品のようだ。
昌林寺山門前には「美女丸と幸寿丸」で知られる「明星池」別名「首洗い池」がある。
多田源氏である源満仲の末っ子の美女丸は、遊んでばかりなので中山寺に預けて修行させていたが、15歳になったとき会ってみると修行の成果が全く見られなかった。怒った満仲は家来の藤原仲光に美女丸の首を持ってくるように命じた。困った仲光の子供・幸寿丸が自分の首を差し出し、満仲がこの池で首を洗って満仲に差し出したと言われている。のちにこれを知った美女丸は比叡山で修行に励み、源賢という高僧になり、供養の為にこの寺を建てたと言われている。
鬼退治で有名な源頼光の家臣、坂田金時が自ら植えたとされる松の木(枯木)が残されている。
本堂の裏には源頼光と四天王の墓及び美女丸と幸寿丸の墓が祀られている。
源頼光は大江山の酒呑童子(鬼)退治で有名であるが、源満仲の長男で多田源氏の継承者であり、時の権力者・藤原道長の重臣。裏の墓には家来の頼光四天王も祀られている。
昌林寺は津門神社と隣接していて、両者の入り口の前に明星池のある小公園がある。