大東建託が発表した「街の住みここち沿線ランキング2023<関西版>」で、西宮市内の阪急甲陽線、阪急今津線がそれぞれ2位と3位に選ばれました。
西宮といえば「住みたい街ランキング上位の常連」という情報が有名でしたが、実際に住んでみて良かったと感じている人も多いことが、調査によって示されました。
西宮流 (にしのみやスタイル) がこれまでの取材で撮影してきた沿線の写真とともに、どんなランキング結果だったのかをみてみましょう。
「住みたい街ランキング」じゃなくて「住んで良かった街ランキング」
この調査は、関西エリアの居住者を対象に、今住んでいる街 (駅) にどのくらい満足しているかを5段階で回答してもらい、それを点数化して偏差値を割り出したものだそうです (2019年~2023年の5年分の回答を累積)。
これまで「西宮は住みたい街ランキング上位の常連」というなんとなくの情報は知っている方が多かったと思います。
今回取り上げるランキングは「住みたい街」ではなく、「実際に住んでみてどうだったか」という調査に基づくものなので、現実の声がより強く反映されているといえそうです。
»街の住みここち&住みたい街ランキング 2023発表スタート!|いい部屋ネット
西宮市内の沿線がランクイン。阪急甲陽線2位、今津線3位
「街の住みここち沿線ランキング2023<関西版>」の上位3位までのうち、2つの路線が西宮市内を走る阪急沿線でした。
- 阪急甲陽線 (夙川〜甲陽園): 2位
- 阪急今津線 (今津〜甲東園): 3位
ちなみに1位は京阪中之島線 (天満橋~中之島) で、オフィスビルが立ち並ぶ中にありながら静かで生活も便利、という点が評価されていました。
他に西宮市内を走る路線では
- 阪急神戸線 (西宮北口〜神戸三宮): 5位
- 阪神本線 (鳴尾・武庫川女子大前〜元町): 13位
- JR山陽本線 (大阪〜神戸): 17位
が挙がっていました。
甲陽線は静かさ・自然のポイントが高く、今津線は生活利便性が高評価
調査では「生活利便性」「行政サービス」「自然観光」など8つの因子についてのランキングもあり、それぞれにいろんな街の特徴が見えてきます。
甲陽線は静かさ・自然のポイントが高い
甲陽線は「静かさ治安」「自然観光」因子がともに2位でした。
甲陽線といえば夙川の桜がありますし、松の並木を縫って走る線路の風景が美しく、「自然」のポイントが高かったというのも納得がいきます。
苦楽園は古くからの高級住宅街である一方、最近では苦楽園口駅周辺ではいろんな面白いお店ができていて、若者注目エリアにもなっています。
甲陽線沿線は涼宮ハルヒシリーズの聖地があることでも知られています。たとえば甲陽園駅は「光陽園駅」として、学校の登下校のシーンに登場しましたね。
それからあの有名な洋菓子店「ツマガリ」があるのも甲陽園駅です。
今津線は生活利便性で1位
阪急今津線には阪急西宮ガーデンズを擁する西宮北口駅があり、「生活利便性」因子のランキングでは、京阪中之島線や大阪メトロ谷町線を抑えてなんと1位になりました。
そして私の周りで評価が高いのが今津駅です。「電車を降りてすぐスーパーやドラッグストアがあり、気楽な飲食店も多く、コンパクトで、西宮北口駅よりラクで好き!」というのは友人の子持ち主婦の言です。
阪急今津線といえば、映画「阪急電車」の舞台でもあります。西宮流は映画撮影のロケハン協力をさせていただいたご縁から、過去にはロケ地ガイドツアーも行っていました (現在はやっていません)。
映画にも登場した関西学院大学も阪急今津線の甲東園駅が最寄りです。ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した阪神間モダニズムの美しい建物、個人的にかなりお気に入りの場所です。
行政サービスのランクは今津線のほうが上位
「行政サービス」因子のランクは、今津線3位、甲陽線6位と若干の隔たりがあります。
同じ市内でありながら不思議な感じがしますが、今津線が通る西宮北口にアクタ西宮ステーションや北口図書館があることが影響しているのでしょうか。
物価家賃が評価されたのは、阪神武庫川線
一方で「物価家賃」因子のランキングでは甲陽線、今津線ともにランク外でした。「決して安くはない」というのは西宮市民としてもイメージどおりといったところではないでしょうか。
「物価家賃」因子で高ランクだったのは阪神武庫川線 (5位) でした。武庫川駅とレインボータウンをつなぐ路線ですね。
西宮に愛着を持つポイントは「程よい距離感」?
筆者は生まれも育ちも西宮ですが、地元愛をあまり持たない人が多い印象を昔から持っていたので、「住んで良かった」ランキングに西宮が入るのは少し意外な気もしました。
調査では居住者のコメントも発表されているのですが、住民同士の程よい距離感をメリットとして挙げたコメントもありました。
– 様々な価値観の人が暮らしているが、お互いに干渉しすぎず気にしないスタンスで人々が生活している。(女性・31歳・未婚・事務職、今津線沿線在住)
– 落ち着いた雰囲気で子育てしやすい。適度な人の入れ替えがあって、閉鎖的でない雰囲気。(女性・43歳・既婚・専業主婦、甲陽園線沿線在住)
そういった傾向が、今の時代にかえってマッチしているのかもしれませんね。
阪神淡路大震災以降、外からの流入が増えた西宮市ですが、街の魅力がこれからも時代に合わせて更新されていくのだと思うと、興味深いです。
情報、画像の引用元: いい部屋ネット 街の住みここち沿線ランキング2023<関西版>