西宮は作品の中に、西宮の地名が出てくる小説も多い。
昔に読んだ作品でも、西宮の風景が出てくるとわかると、読み返してみたくなるかも???
小説の中に出てくる場所を歩いてみませんか??
🌸名塩
昔は紙漉きや街道筋として賑わった場所。
蘭学の塾もあって、今は「蘭学通り」という名前に歴史が残っている。
<緒方八重の胸像>
名塩蘭学塾のあった場所に、緒方八重の胸像が設置されている。緒方洪庵の妻/八重は、名塩出身だった。
伊藤慎蔵が文久2年(1862年)に伊藤塾として名塩蘭学塾を始めた。
西岡まさこ/緒方洪庵の妻
福沢諭吉/福翁自伝
<名塩川>
昔は名塩川の両側に名塩千軒と言われるほど、紙漉きを生業にする家が多かった。
綺麗な名塩川の水と、この辺りで採れる独特の泥をすき込んだ和紙は丈夫で、昔の藩札に多く使われていた。
水上勉/名塩川
🌸甲山
標高309メートルの西宮のランドマークとも言える山。
航行目標保安林にも剪定されいる甲山は、これが見えると我が家に帰って来たような安心感を抱く人も多い。
田山花袋/温泉めぐり
安田夏菜/レイさんといた夏
🌸仁川
概ね西宮と宝塚の市境を流れる天井川。
上流は渓谷もあるが、下流域では天井川のため水が流れていない時期も多い。
遠藤周作/黄色い人
遠藤周作/口笛を吹く時
🌸ニテコ池
南北に3つに分かれている溜池。
この辺りは真砂土がとれ、室町時代に西宮神社の大練塀を作るときに大量に使ったことで溜池になったとも言われている。
この近くの震災記念飛行園の一角に「火垂るの墓」の記念碑もできた。
野坂昭如/火垂るの墓
田中康夫/オンパピネス
🌸夙川
源流は剣谷山から流れる剣谷川で、香櫨園浜に注ぎ込む約8㎞の川。
土手の松の緑と、ピンクの桜が美しい日本桜百選にも選ばれている。
この辺りには、昔から多くの作家が住んだり、作品の舞台として取り上げられている。
森田たま/続もめん随筆
須賀敦子/ヴェネチアの宿
🌸阪急西宮ガーデンズ
阪急西宮球場の跡地には、大型商業施設の「阪急西宮ガーデンズ」が2008年にできた。
阪急西宮球場が、いろいろな作品に出てくる。
井上靖/闘牛 貧血と花と爆弾
宮本輝/北病棟
増山実/勇者たちへの伝言
🌸一本松
谷崎潤一郎の『細雪』に書かれて有名になった一本松。
細雪の中ではこの「一本松」のそばに、妙子の恋人・奥畑が住んでいたことになっている。
この黒松は西宮市の保護樹林にもなっている。
谷崎潤一郎/細雪
🌸マンボウ
JRの線路の下をくぐる水路の上に作った、やっと人が通れるほどの小さなトンネルを通称「マンボウ」という。
西宮市内にいくつかあるが、ここは平松町のトンネル。
谷崎潤一郎/細雪
🌸傀儡師古跡
その昔傀儡師(かいらいし・くぐつ師)と呼ばれる人形繰りを生業とする人たちが住んでいた産所町にある。
えびすかき、えびす回しと言われえびす信仰を全国に広めた。
有栖川有栖/オノコロ島ラプソディ
🌸海清寺
海清寺は南北朝時代(1394年)の創建と伝えられる臨済宗の寺院で、禅堂として多くの禅僧を育ててきた西宮市を代表する禅宗寺院。
薄田泣菫/『艸木虫魚(老和尚とその弟子)』
🌸阪神西宮駅
阪神淡路大震災で、駅南側にあった商店街も大きな被害を受けた。駅前には、商店街にあった大時計が震災遺構として設置されている。
2003年には、エビスタ西宮という商業施設を併設した駅ビルとなった。
湊かなえ/絶唱
小川洋子/ミーナの行進
🌸旧阪神西宮東口駅
阪神電車の高架化工事により、阪神西宮駅と統合され2001年に廃止になった。
この駅とjR西宮駅をつなぐようにあった東通商店街にその名が残っている。
駅にあった場所に記念碑が残る。
🌸香櫨園駅
川の上にある趣がある駅で、近畿の駅百選にも選ばれている。
明治40年に開業した時は、右から書く『香櫨園駅』だったが、その後1960年代中頃から一時期は「香枦園駅」と表記されたが、高架完成時(2001年)に改めて今の『香櫨園駅』という表記になった。
宮本輝/青が散る
井上靖/明日来る人
瀧悌三/一期は夢よ 鴨居令
高殿円/マル合の下僕
鴨井羊子/のら猫トラトラ
🌸酒蔵通り
西宮市は古くから酒造りの街だが、国道43号線の少し南側に『酒蔵通り』が東西に走っている。
東は甲子園網引町(中津濱線との交差点)から西は堀切町あたりまでが『酒蔵通り』となる。
田辺聖子/女の日時計
🌸香櫨園浜
平安時代には、御前浜(おまえはま)と呼ばれていた。
御前浜・香櫨園浜は阪神間でも数少ない自然の浜が残っている場所で、冬は野鳥の宝庫。
ここは1907(明治40)年に香櫨園浜海水浴場として阪神電鉄が開発した。
井上靖/昨日と今日の間
木下利玄/住吉日記
谷崎潤一郎/卍
織田作之助/六白金星
村上春樹/猫を捨てる〜父親について語る時〜
🌸西宮港
古くから酒どころの港として樽廻船などでも賑わった港。
1969年(S44年)に、両隣の芦屋港と尼崎港も合わせて一つの港となり、正式には『尼崎西宮芦屋港』というようで、カタカナ表記にすると日本一長い港名という。