西宮市久保町にある公園は、通称が『交通公園』と呼ばれ、公園内には、街並みに模した石のオブジェが置かれ、道路に見立てた通路には信号や横断歩道があり、新幹線やトンネルもある。
すべてオブジェなので、信号が変わることはないが『交通公園』として、地域の子供たちの人気の場所でもある。
この公園のすぐ東側には「東三公園」という、花のきれいな公園もあり、子供たちの遊び場としても充実している。
このスカルプチュアといわれる、街並みに模した石のオブジェも、公園が整備されて50年経ち、昭和40年代当時のままの建物に模したスカルプチュアも、朽ちて薄汚くうっすらと残る元デザインも昭和時代のシュールさが残り、今の時代感から乖離していると感じた大手前大学の山下眞智子先生(色彩・環境心理・色彩デザイン・生活環境研究)の目にとまり、2019年ごろから先生の「いろゼミ」の実践の場として塗直しなの改修が行われてきた。
ちょうどコロナ禍と重なり、作業が思うように進まなかったが、2022年3月に一旦一通りの改修作業が終わり、新しい街並みが鮮やかな色で蘇っている。
50年残ってきたものなので、今後50年残すことを考えてゼミ活動して改修の取り組んできた山下先生は、この活動にかかわってきた学生たちが、将来またいつかこの公園に帰って来て欲しいと願っている。
2022年夏には、子供たちから集めた絵を学生たちがロケットに描きうつす作業を予定しており、秋には公園内のベンチの塗直しもファミリーを巻き込んでのイベントにしたいと山下先生の構想は膨らんでいる。