調査団 古文書班・240821・明治2年の宗旨人別帳

いよいよ西宮町宗門帳も残り数冊になり、今回は明治2年の宗門帳です。
明治元年は9月から始まったばかりで、戸籍が作られるのは明治5年からなので
その間は江戸時代の人口把握方法をそのまま続けているのでしょう。
ただ、今から調査する宗門帳には江戸時代の宗門帳とすこし違う点もあります。



まず、西宮町の内の何町か書いてありません。
画像右ページの傍線の部分には「浜鞍掛町」とあり、この帳面は
浜鞍掛町ではない(この町の住人なら「同町」などと書かれる)と分かるので、
このような情報を集めて絞っていくつもりです。

次に、作成されたのが6月です(画像左ページ)。
今まで西宮町宗門帳は10月はじまりで翌年9月までの一年間でした。
他の調査団員が明治元年10月はじまりの帳面に取り組んでいますが、
毎月押す印が6月分までしかないようで、この時何か指示があったのかも。

それに関連してか、印がひとつだけです(右ページ下の矢印部分)。
江戸時代は毎月確認の印を押していましたが、この明治2年6月分には
名前の下にひとつだけしかありません。
なのでこの帳面の更新期限が1年後とは言い切れず、移動に伴う追記
出てくる日付(○月引越など)を注意しておこうと思います。

そして「渡世」と職業が追加されています(右ページ右上)。
明治5年からの戸籍には職業も書かれることがあったそうなので、
その先駆けと言えるかもしれません。

次からはこの「渡世」に出てくる職業を見てみたいと思います。

-活動日2024.8.21.(金)  団員7名+学芸員1名 郷土資料館にて-


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