文化財の三次元計測

第28回西宮市内博物館等連携講座 「文化財の三次元計測」 
2015年3月18日(水)を聴講した感想をご紹介します。

講師の大手前大学史学研究所の岡本篤志さんは、もとは美術大学で仏像を
専門に勉強されていたそうですが、そのなかで模刻(仏像のレプリカ作成)を
するのに本体を傷つけず安全に正確に写しとる方法はないかと考えたときに
たまたまレーザー測量技術を知り、研究を始めたそうです。

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三次元レーザー測量とは、レーザー光を対象物に照射してその跳ね返ってくる
時間をもとに対象物との距離を測るもので、平面(水平)方向の座標のxとyに
高さのzを加えた三次元で計測するものだそうです。
もとは自動車や飛行機などの工業製品の計測に使われていたものが、服飾関連や
映像作品に使われたりして、そういわれれば、下着メーカーが体型のデータを
取るとか、スポーツ用品メーカーがアスリートの靴をピッタリに作るためになど
光線を体に当てて瞬時に測る様子を紹介しているテレビを見たことありますね。

その技術が文化財の調査に対してもわずかながら使われていて、大きなものでは
ピラミッドやマチュピチュなどの世界遺産を測量してきたという話を聞きました。
もちろんもっと身近な地域文化財の調査にも使われていて、肉眼や写真では
わかりにくい凹凸がよく見えたり、写真撮影で起きる画面のひずみや色によって
受ける印象が変わることを取り除いた、より正しく細部まではっきりわかる
データが光を当てるだけなので傷つけず計測できる点が素晴らしいそうです。

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今回はインターネット上で利用できるデジタル写真を三次元データ化することが
できるという3D計測と似たようなシステムの見本を見せてもらいました。
講座の初めに仏像の写真をあちこちの角度から撮り(今回50枚ほど?)、この
Autodesk ReCap 360 https://recap360.autodesk.com というサービスを
提供しているサイトに送信するとそこのコンピューターでデータ解析をして、
今回の場合は一時間ほどで3Dデータが完成しました。

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もちろんコンピュータの働きあってのことですから、目で見て手で書き写すと
いった昔ながらの調査技術を身に付けておくことも大切ですし、デジタル写真での
調査がより有効な場合もありますが、新しい技術で今までわからなかったことが
分かるようになるのは楽しいですね。

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平成26年度の西宮市内博物館等連携講座はこれで終了です。
来年度も秋ごろからの開催を予定しているそうですので、いろいろな
分野の博物館が集まった講座の中から、関心のある分野だけでなく
せっかくだからあまり関心がなく今まで聞いたことないような分野の話も
きけたら面白いなと思います。

 

 

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