北摂一の軍師 田近新次郎
西宮市立北口図書館で開催中の「西宮歴史”発見”物語」の展示に関連して、
「第3回市民が語る西宮いまむかし物語@にしきた」の講座があり、西宮歴史調査団の
メンバーの荒木さんがご自身のルーツを調べたことについての紹介がありました。
学生時代の郵便局のアルバイトで尼崎市西昆陽字田近野(現西宮市田近野町)が
西宮郵便局の配達範囲だったことを不思議に思ったのがきっかけで調べてみたら、
自分の先祖の豊後岡藩士の田近氏とも関係があることが分かったそうです。
現在の田近野町あたりにあった田近村が武庫川の氾濫により大きな被害を受け
対岸の西昆陽村(尼崎市)に移住したのが室町時代の終わりごろで、現在でも
そのあたりには田近さんが多く残っているそうです。
そこで生まれた田近新次郎は縁あって茨木の中川清秀に仕えることになり、
その後 丹波平定の功績により織田信長から主筋の中川氏の名乗りを許され
中川平右衛門と 名乗るようになりました。
中川清秀は賤ケ岳の合戦で戦死し、跡を継いだ長男の秀政は朝鮮出兵で死亡し、
その跡を清秀の次男秀成が継ぐときに豊後岡(大分県竹田市)へ移封され、
仕えていた田近一族も幕末までその地を治めましたが、明治の世になって神戸に
出てきて西宮の女性と結婚した田近分家筋の一人が今日の講師の荒木さんに
つながってくるということでした。
田近新次郎の軍師としての活躍というよりは戦国時代から幕末までの中川氏の
変遷のような話でしたが、様々なエピソードの中の所々に西宮とのかかわりの
ある人物が登場してきたりして興味深く聞きました。
ただ戦国武将は登場人物も多いし一族で似た名前が多いし、縁戚関係もあちこちで
つながっているし、よく調べたなぁすごいなぁと思いました。
西宮歴史調査団の活動報告展示は1月15日まで開催中ですので、
お近くへ行ったならちょこっとのぞいてみて下さい。
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