今年も終戦記念日がやってきます。
東京オリンピックが開催される来年は、戦後75周年という節目の年になります。
野坂昭如氏の実体験を元にした短編小説・火垂るの墓は1967年に書かれ、その翌年には直木賞を受賞しました。
アニメになったのは1988年、高畑監督によるスタジオジブリの作品としてでした。
戦争で親を亡くした14歳の兄・清太と4歳の妹・節子が戦争の混乱の中を生き抜こうとする戦争の悲惨さを描いた作品ですが、神戸の空襲で焼け出された二人の兄妹が西宮の満池谷で暮らすようになったころのお話になっていて、山本二三美術監督による入念な取材と細かいスケッチでアニメが作られています。
今回、『火垂るの墓』記念碑の建立のための実行委員会の代表をされている土屋純男さん(満池谷町在住)によると、アニメ映画の背景の風景は本当に見覚えのある身近な場所が細かく描かれていたと感慨深く振り返られます。
3年ほど前から、関係者を尋ねて歩いたり、資料を収集したり、関係各所に働きかけたりする中で、兄妹が暮らした防空壕の場所も特定でき、震災記念公園内に記念碑を設置する許可も得られ、戦後75周年になる来年6月の記念碑設置に向けて募金活動が始まっています。
『火垂るの墓』記念碑建立趣意書
兵庫県西宮市の満池谷(まんちだに)・ニテコ池は、小説「火垂るの墓」の舞台となりました。14歳の少年清太と4歳の妹節子は伯母の家を出て、この池の湖畔の防空壕で暮らしました。
この小説は、野坂昭如氏が事故の戦争体験を踏まえて創作し、1967年に発表されました。翌春には第58回直木賞を受賞しました。最近、彼が生活していた満池谷の「おばさんの家」址や避難した防空壕跡が明らかになりました。
また19988年に高畑監督・脚本のもと、制作されたアニメーション作品も、子供たちの身に起こる戦争の惨禍を訴え続けています。暗闇に乱舞する蛍の光は、命の灯火のように思えます。
私たちは、野坂昭如氏の作品を顕彰し、そのメッセージを地域社会に伝え、現在と未来の子供たちへの恒久平和を祈念して「火垂るの墓」記念碑の建立を計画しました。
広く皆様のご協力をお願いいたします。
火垂るの墓記念碑建立実行委員会
<募金にご協力お願いいたします>
・「火垂るの墓」記念碑建立:2020年6月頃 西宮市震災記念碑公園内(予定)
・募金(期間:2019年12月まで)
個人 一口1000円
団体 一口10000円
・振込先 郵便振替口座 00930-4-334241 「火垂るの墓」委員会 宛
※所定の「振込取扱票」を使うと振込料がかかりません。
・ゆうちょ銀行以外の金融機関からお振り込みの場合
ゆうちょ銀行 14310-88078281 ホタルノハカイインカイ
西宮市も昭和20年には5回に亘る空襲を受け、特に8月6日未明にかけての大規模な空襲では壊滅的な被害を受けたようです。
そんな戦争から75年を迎えようとするこの時期に、このような動きがあることを注目したいと思います。
2015年8月16日の朝日新聞阪神版に野坂昭如さんが寄稿されていたようで、土屋さんにコピーを見せていただきました。
その記事の最後はこのように結ばれていました。
「阪神間には、今も『火垂るの墓』の主人公の足跡を訪ねる人がいるという。歩きつづけてください。戦争を忘れないでください。舞台は何も変わっていない。』
「戦争は不条理なものです。一瞬にして大切な人の命や大切なものを奪っていきます。そんな戦争の惨禍を風化させないためにも記念碑を建てたいと思っています。」という土屋純男実行委員長の熱い思いをお聞きしてきました。
ご賛同いただける方には、ぜひ募金のご協力をお願いいたします。
火垂るの墓への寄付のためのゆうちょの「振込取扱票」は クリエートにしのみや➡︎(ららぽーと甲子園2F)に置いています。