「火垂るの墓」聖地巡礼 兵庫県西宮市内のスポット

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ニテコ池

2007年リリースの地域情報ウェブメディア、西宮流 (にしのみやスタイル) です。
私たちは、これまで西宮市内で撮影された映画などのロケのお手伝いなどの支援も行ってきました。

『火垂るの墓』は、作家・野坂昭如氏の自らの体験をもとに1967年に書かれた作品です。
その後、漫画やアニメ、映画と様々な表現もされて来た有名な作品です。

太平洋戦争末期の1945年6月5日の神戸空襲で焼け出された野坂さんは、西宮の満池谷町にあった親戚宅やその近くにあった防空壕などで生活したことが描かれています。(野坂さん、当時14歳)

この記事では、西宮市内の『火垂るの墓』の聖地を、地元・西宮のウェブメディアがご紹介します。

『火垂るの墓』とは

1988年にはスタジオジブリでアニメ作品にもなり、終戦記念日近くになるとよくテレビ放映されていました。アニメの監督は高畑勲氏です。
作品の中では、親戚の家があった満池谷町やそのすぐ北側にあるニテコ池、夙川や回生病院 、香櫨園浜などの風景が出てきます。

【あらすじ】
幼くして両親を失った清太と節子。2人は遠縁の小母を頼り西宮へ移るが、食糧難から
余計ものにされ、2人で横穴で生活する。食べることも儘ならない状況での幼い命の放つ輝きを描き、アニメ映画化もされた。第58回(1967年下半期)直木賞受賞作。

西宮流と『火垂るの墓』のかかわり

西宮流がスタートするよりかなり以前の作品ですので、す映像と西宮流との関わりはありません。

西宮流が関わりがあるといえば、2020年に震災記念碑公園の一角に地元住民が募金活動をして建立された「火垂るの墓記念碑」の活動団体とのご縁でした。
2020年6月7日、実行委員長をはじめ実行委員会の皆さんのご尽力で除幕式が執り行われました。
ちょうど、コロナ禍の最中であったことで野坂昭如さんの奥様のご出席が叶わなかったことが残念なことでした。

古い作品にはなっていますが、毎年、夏には神戸の市民団体が聖地を訪れ作品を知るイベントも開催されています。

『火垂るの墓』聖地巡礼スポット

アニメ制作では、ロケハンに野坂氏ご自身が同行されたと言う話のようです。ただ、アニメで描かれた防空壕は、一番南側の池の東側に設定されていますが、実際の場所は少し違っているようです。

ニテコ池

ニテコ池は、南北に並ぶ3つの溜池です。阪神淡路大震災では被害を受けました。

このあたりは真土が採れたことから、室町時代に西宮神社の大練塀を作るときに使用されたといわれていて、土を掘り出した跡に水が貯まり、池になったと言われています。

大練塀のための土を練る時の「ネッテコイ!ネッテコイ!」と言う掛け声から「ニテコ」と言う名前になったと言われています。

ニテコ池

満池谷町

おばさんの家があった満池谷町は、その名前のとおり谷になっています。
北側のニテコ池の堤から南に見下ろすようなロケーションになります。

火垂るの墓の碑建立の実行委員長・土屋純男さんは「ここに住み始めた頃には、もっとアニメの風景が感じられた。毎年、家族そろってアニメを見るのが楽しみだった。」と振りかえられていました。

満池谷町
おばさんの家があったのは満池谷町
この階段の風景もアニメに中に出てくる

西宮回生病院

明治40年7月15日に軍医の菊池常三郎氏によって、阪神間で初めての総合病院として香櫨園浜に面した場所に建てられた病院です。
戦争や震災も乗り越え100年を超える歴史のある病院ですが、何度も立て替えられ、最後まで残っていた正面玄関も2015年に一新され、玄関前の蘇轍だけが名残をとどめています。

回生病院
取り壊し前の見学会の時の様子
回生病院
玄関前にあったソテツは移植された

夙川河川敷公園

清太が病院や香櫨園浜へ行くのは、夙川の堤を通っていたようです。
今の夙川の桜は戦後に植えられたいますので、今の様子とは大きく違って松林の風景だったと思われます。

香櫨園駅 夙川

香櫨園浜

節子を連れて、節子の汗疹を治すために海に入ったのが香櫨園浜でした。
この頃はまだ西宮浜ができていませんでしたから、景色は大きく変わっています。

香櫨園浜
文学作品にもよく出てくる香櫨園浜

火垂るの墓記念碑

野坂昭如氏が書き残した「戦争は悲しみだけが残るんだ。」という言葉に出会った土屋純男さんは、戦後75年になる2020年に記念碑を建てたいと2017年12月に実行委員会を立ち上げて広く寄付を募り、2020年6月7日(日)に震災記念碑公園の一角で除幕式が行割れました。

火垂るの墓

この活動をきっかけに、最近ではボランティア団体「ひなたの会」が、火垂るの墓の朗読劇を上演する活動も行われています。

投稿日時 : 2024-11-11 09:32:00

更新日時 : 2024-12-21 13:22:34

この記事の著者

編集部|J

『西宮流(にしのみやスタイル)』の立ち上げ時からのスタッフ。
日々、様々な記事を書きながら西宮のヒト・モノ・コトを繋ぎます。

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