小説「火垂るの墓」は野坂昭如氏の実体験を基に、戦争の不条理と悲惨さを表した小説で、高畑勲監督・脚本によるスタジオジブリの作品としてアニメ「火垂るの墓」が製作され、広く知られている。
舞台は神戸で始まり、西宮のニテコ池周辺で繰り広げられる。
神戸空襲で母親を失った14歳の清太と4歳の妹節子のはかなくも悲しい物語だ。
野坂昭如氏の平和への願いを引継ぐために、土屋純男氏を代表とする「火垂るの墓記念碑委員会」が設立された。
企画立案から募金活動と精力的に活動され、2020年6月9日にニテコ池のほとり、震災記念碑公園に<「火垂るの墓記念碑」が建立>された。
今回、大社小学校の平和学習として初めて、「陽なたの会」による朗読劇「火垂るの墓」が上演された。
2月6日、7日、10日に5年生の3クラスを対象に行われ、5日と9日に近隣地域の人々が参観する機会も設けられた。
「陽なたの会」は西宮市内のNPO法人<「シャクナゲ・子供の家」>の事業の一つで、「地域に貢献」を趣旨のもとに発足した会で、近隣在住のボランティアが所属している。
主な活動は「火垂るの墓」記念碑の建立をきっかけに、2021年1月に発足し、朗読劇を製作、上演している。
役割に適した動作とセリフがあることで、単なる小説の朗読でなく、より情景が現実味を帯びて感じられる。
特に節子のせりふは、目をつぶるとアニメの節子が浮かんできたし、清太役や良く通る声のナレーションなど大勢の思いが一つになっていた。
これからも地域に根ざした活動となって、続いて欲しいと思う。