満池谷の震災記念碑公園に「火垂るの墓記念碑」が地元有志の発案で建立されたのは2020(令和2)年6月7日。
記念碑建立1年後の6月に「朗読劇 火垂るの墓」を上演する準備が行われていたが、残念ながら、その当時はコロナ感染規制のために上演は実現しなかった。
今回は、今年の2月に大社小学校で行われた公演を見た神原地区の方からの、再演の要望で神原公民館で上演された。
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朗読劇上演に先立って、火垂るの墓記念碑委員会の土屋純男代表からは、記念碑建設に携わる色々な思いや、当時コロナ感染騒動で苦労したことなども話された。
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上演するチームは2グループあるそうで、同じセリフの朗読でも、そのチームによって受ける印象も違い、2月に小学校で見た時とはまた違う感動を受けた。
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落ち着いたナレーションの中で、ところどころでセリフとして展開され、バックミュージックにオカリナの演奏がより深みを増していた。
上演後に朗読劇の演出・台本を担当されている新海百合子さんにお話を伺った。
「以前、何かの学習会で話が出たときに、火垂るの墓の話を知らない方が結構おられるということ知りました。その後ご要望をいただき”朗読会”でやってみようかと思いました。
でも朗読劇として登場人物が動くことで、お客様の想像力がもっと増えるのではないかと考えたんです。また演じる人たちにとっても、一人で何役も行うので、気分も変わって良いような気がします。」
劇の練習は公演日程が決まってから逆算して10回くらいは練習するそうだが、こうして上演が増えると、だんだんスキルが上がり、色々と工夫が発揮出来るようになってきているという。
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朗読劇終了後、近くにある『火垂るの墓記念碑』も訪れたが、テレビ局の取材もあった。
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西宮の地元を舞台にした『火垂るの墓』の話を知ってほしいと思うスタッフの熱意は、きっとこれからも上演の場を広げていくのだはないかと思った。