「十日えびす」を前にした正月五日、人形遣い達の祖神、百太夫神を祭る境内末社・百太夫神社(ひゃくだゆう じんじゃ)で、百太夫神社祭が執り行われます。えびす様の信仰が今日のように全国に広まったのは、室町時代以降西宮の散所村(現・西宮市産所町)に住んでいた人形遣い達が、えびす様のご神徳を人形操りに託して全国を廻った事が大きな要因の一つと考えられています。この人形遣い達は、江戸時代になると西宮を離れ淡路島に移ってしまい、現在は国の重要無形民俗文化財に指定されている淡路島の人形浄瑠璃や大阪の文楽となったと言われています。百太夫神社は、元は境外散所村にありましたが、天保十年(一八三九)に境内に遷座した日、一月五日を記念して祭典を行い、人形に見たてた五色の団子を特別にお供えします。現在、跡地(産所町、えべっさん筋)には記念碑と百太夫の銅像が建っています。例年、祭典に引き続き関係の深い淡路島や阿波からえびす舞を伝える団体が参拝し、御祝儀舞、三番叟・えびす舞などの人形廻しを奉納します。
西宮神社WEBサイト>>
西宮神社の末社の人形遣いの祖・百太夫神を祭る百太夫神社は、もともとは今の産所町にあったが、現在は西宮神社の境内の一角にある。
元百太夫社があった場所には、傀儡師像>>が建てられている。
毎年、1月5日の百太夫(ひゃくだゆう)神社の例祭への奉納舞が行われる。
奉納舞を行うのは、淡路島から来られる「阿波木偶箱まわし保存会」のえびす舞と地元でえびす舞を復活させる活動をしている人形芝居戎座のえびす舞。