産所町あたりには、その昔傀儡師(かいらいし・くぐつ師)と呼ばれる人形繰りを生業とする人たちが住んでいた。
傀儡師は西宮神社の雑役奉仕のかたわら、神社のお札を持って諸国を巡り、えびす信仰を広めるために、首から下げた箱の中の人形を踊らせて回ったという。
えびすかき、えびす回しと言われ全国に広がったという。
今でも、全国にえびす様をお祭りしている神社がある。
産所町に長く住んだ傀儡師が祖神としていた百太夫神社>>は、この地から傀儡師に姿が消えた後、西宮神社の境内に祀られている。
1690年ごろには40軒ほどあったという傀儡師も、1850年以降なぜかこの地から姿を消し、えびすかきという芸能も途絶えてしまっていた。
この「えびすかき」は人形浄瑠璃の原型と言われており、淡路では人形浄瑠璃、大阪では文楽として今に伝わっているが、西宮では徐々に廃れていき、明治の終わりに吉田小六を最後に無くなったという。
2005年、阪神淡路大震災で大きな被害を受けた西宮中央商店街のにぎわいを取り戻そうと、商店主たちが中心になって「くぐつ再興プロジェクト」を立ち上げて「兵庫県まちのにぎわいづくり一括助成事業」の助成を受け、空き店舗を改装して戎座人形芝居館ができた。
その後戎座人形芝居館は閉館したが、人形芝居えびす座➡︎としての活動は今も続いている。
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復活した「えびすかき」は、西宮の伝統芸能として、門付け芸として祝い事等などで上演してくれる。
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