この記事は「Wow!」のメンバーが執筆・編集しています。Wow!のメンバーが紹介したいまちの情報を記事としてまとめています。
こんにちは。Wow!のあんあんです。まだまだ暑いですね。今日は第5回ノーラマルシェに参加されていた新規のお店についてお伝えしたいと思います。こころがあたたかい気持ちになった「想い出クローゼット」について紹介します。
想い出クローゼット
大学生数名のみなさんがノーラマルシェに初出店されたのは「想い出クローゼット」。まず、ネーミングがいい!何があるのだろうと期待を抱かせます。「想い出」は「対象に対して強い思い入れがあること」を表す言葉らしいです。わたくしあんあんがテントでキーマカレーを販売しているとき、Wow!のスタッフさんに「あんあんさんが好きそうなお店があるから後で行きましょう。」と言われました。
おおきなクスノキの木の下
クスノキは西宮のシンボルの木です。大きなクスノキの木の下はたくさんの葉が茂っているおかげで、陰が大きくさわやかで涼しい風が吹いています。なるほど「クローゼット」ですから服などが集まっているスペースですね。もうあまり着なくなってしまったけれど、処分するには忍びないような服を集めて、それを気に入ってくださる方がいらしたらお譲りしましょうというコンセプトのお店です。
リサイクルの服
木々の間にロープが張られ、ハンガーに洋服がつるしてあります。数は多くありませんでしたが、どんなお洋服があるのかなとWow!のメンバーRUさんと順番に見て回りました。トップスやボトムス、カラフルなワンピースまでもぶら下がっています。その中で目を引いたのは赤とピンクの中間色で、ロゴが縫い付けられたTシャツ。私にはちょっと大きいサイズだけれど、持ち合わせていない色で、元気な気分になりそうでいいなと感じました。もう一つはボトムス。ベージュ色で生地良し仕立て良しのパンツが気に入りました。
手書きのメッセージカード
それぞれの服には持ち主さんのメッセージカードが添えられています。手書きのカードにはいつ頃どんな想いでその服を購入したのかというエピソードが書かれています。愛着をもって着ておられたのだなあと分かりました。お会計処では「無料でいいですよ。」とのお言葉。服の持ち主は大学3年生の青年。彼がいつ頃どんなところが気に入ってどんな想いをもって購入されたのか直接お話を伺うことができました。
店舗や便利なネットで服を購入するのとはまた違った感覚。服にまつわるオリジナル・ストーリーを知り、単なる服が想いやぬくもりの伝わるモノに変化した瞬間でした。
若いっていいな。純粋でいいな。うらやましいなって感じました。私にもこういう時期があったようななかったような懐かしいようなレモンのような気持ちになりました。
後で、この「想い出クローゼット」を出店するに至った経緯についてインタビューしてみました。
きっかけは大学の授業
半年前、大学の授業で脱炭素社会(カーボンニュートラル)について学ぶ機会があった。cop26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)が11月に英国スコットランド・グラスゴーで開催された。地球温暖化など変わりゆく地球環境に対して私たちに何が出来るのかを考える機会を得た。SDGs(持続可能な開発目標)の中から自分は「服」について考えた。服は大量生産・大量廃棄されているという現状、そして服を廃棄するのにも炭素が発生するということ。ファスト・ファッションは安価で手に入れられる点はメリットだが、まだまだ着られるにも関わらず適当に扱われがちというデメリットもあり、それが自分の心に引っ掛かかった。
モノを大切にする
「値段が安いからといって適当に扱ってもよいのだろうか。気に入ったものを大切にするのっていいと思うんだけどどう?」という気持ちを友人に話をしてみたところ賛同してくれた。そこに、社会課題の解決策を考える授業に出席。(NPO法人なごみの田村さんが講師だったそうですよ。)この授業がきっかけでマルシェにて「想い出クローゼット」オープンが実現したそうです。
普段の生活の中で何気ない疑問を感じる、そこから思いがけず実践の機会につながったのですね。なんて素敵なことなのでしょう。問題意識をもって生活されている若者と出会うことができ、わたしはとても嬉しい気持ちになりました。ヒト・モノ・オモイとの出会い。お金では買うことのできないツナガリを大切にしていきたいものです。
大学生さんたちへ
大学入学時からコロナ下の生活が長く続いていますね。マスクはじめ新しい生活様式がすっかり定着し、対面授業がオンライン授業にとって代わり、リアルな交流が激減してしまいましたね。本来ならば経験できたであろうこと、人との交流、様々な学びの機会が奪われてしまったのかもしれない大学3年生のみなさん。こうしてあの日偶然に公園で出会えたこと本当に嬉しかったです。
これからもその純粋な気持ちを言葉にして人に伝えたりして共有出来たらいいですね。人のやさしさやあたたかみは顔と顔を向き合わせるとより深く感じられる気がします。
「ありがとう」という言葉
「僕はありがとうという言葉だけで生きていける。」という学生さんの言葉がとても印象に残りました。多くの日本人が持つ価値観「勉強して良い大学に入り、有名企業に入り、お金をたくさん稼ぐことが幸せだというような価値観にこだわりすぎたくない。もちろん衣食住を十分満たすだけのお金は大事だけど、僕は精神的な幸せも同時に大切なことだと思う。」とおっしゃっていました。
友人から「○○のおかげで助かったよ。」と言われてとても嬉しかった。精神的に満たされたとおっしゃていました。あとで「僕たち大人も若者に負けないように頑張ろうね。」とWow!のスタッフさんから声をかけてもらいました。うんうん。
その日、リサイクル品のTシャツとズボンが私の家にやって来ました。大切なメッセージが私の中に残っています。志を持った若い人たちに、この記事を読んでくださったみなさんにたくさんの出会いと幸せが訪れますように。