こんにちは、2007年リリースの地域情報ウェブメディア、西宮流 (にしのみやスタイル) です。私たちは映画「阪急電車~片道15分の奇跡~」の時はロケハンから関わって、撮影中も何度も現地で取材してきました。
映画の公式サイトが立ち上がった時には「メイキング日記」も担当させていただきました。
この記事では、西宮市内の映画「阪急電車~片道15分の奇跡~」の聖地を、地元・西宮のウェブメディアがご紹介します。
映画「阪急電車~片道15分の奇跡~」とは
有川浩さんの「阪急電車」(幻冬舎)が原作の映画。
(有川浩さんは、2019年に有川ひろと改名されました。)
宝塚駅から西宮北口駅まで、8駅を約15分で結ぶ阪急電車今津北線に乗り合わせる様々な乗客の人生がトライアングルのように絡み合う物語。
別れもあるが、出会いもあり、新しい生活や恋も始まる。
それぞれの駅の特徴を背景に起こる物語が映画化された。
2010年秋~初冬に撮影され、2011年4月末からロードショーとなり、90万人を超える動員の大ヒットと映画となりました。
監督 三宅喜重
原作 有川ひろ
脚本 岡田恵和
キャスト 中谷美紀 戸田恵梨香
南果歩 谷村美月 有村架純 芦田愛菜 小柳友
勝地涼 玉山鉄二
宮本信子
西宮流と「阪急電車~片道15分の奇跡~」のかかわり
当時、西宮市産業振興課に映画撮影協力要請が入ったことをきっかけに、産業振興課と連動しながら西宮の街の情報を多く知る「西宮流」が撮影部隊のロケハンからサポートすることになりました。
映画の台本とスタッフ証をいただき、カメラの後ろから撮影の現場を体験させていただきました。
この映画は、阪急今津線8駅の物語となっていますが、、8駅の内西宮市にあるのは3駅だけですので、なんとか西宮の風景を少しでも多く作品に残したいと思って、台本に出てきそうな場所で「ここはどうですか?」と提案もさせていただきましたが、映画作りのさまざまな条件から却下された場所も多かったです。
映画に出てくるカフェが全て神戸になってしまったのも残念でしたが、やはりフィリムコミッションの組織のある所は撮影隊にとっても力強いようです。
時江(宮本信子さん)の若い時の犬の散歩のシーンに夙川を使っていただけたことは、提案者として今でも嬉しく心に残っています。
また、映画撮影の直前にはエキストラ募集でも協力しましたが、最初の数日で目標値以上の5000人以上が集まり、映画撮影への期待感が高いことを感じました。
映画製作に協力し、ロケハンからサポートした『西宮流』は、映画のエンドロールに名前を連ねています。
「阪急電車~片道15分の奇跡~」の西宮市内の聖地
私たちが、映画の撮影の情報を知ったのは梅雨も明けた頃でしたが、完成した映画を見ると春の桜の時期の沿線の映像が流れていたので、すでに春から準備が進んでいたのだと知りました。
ここでは、西宮市内で撮影されたところをご紹介しましょう!
阪急西宮北口駅
11月から12月にかけて、冷たい風が通り抜けるホームでの撮影は結構過酷でした。
ダウンで防寒している撮影スタッフを横目に、秋と春の装いで長時間待つのは緊張も含めて体が硬くなります。
このとき使われた車両は「行き先表示板」のついた車両でした。今では、もうこのタイプの車両は走っていません。
今津北線は、ほぼ10分間隔で電車が走ります。その間を縫って約1ヶ月の撮影中に60本の臨時列車が走りました。
電車の乗り降りや、電車の中での会話や出来事が多い作品でしたが、各駅に停車し撮影に使えるのは最大3分だったようで、ほぼぶっつけ本番だったと言います。
門戸厄神駅
この駅は、森岡ミサ(戸田恵梨香さん)と伊藤康江(南果歩さん)の演技がある場所でした。
原作者の在川ひろさんによると「電車が高架になると生活感が希薄になってしまうので、北線だけの物語にしました。」ということでしたが、高架でないということは線路のすぐ横に道路が走っていたり駐輪場があったりました。
そういうところではハプニングも多くあり、撮影現場の目隠しをしたりということもありました。
駅にある広告看板は、撮影時に映り込むものはすべて美術さんが前夜遅くに張り替えの作業をされていました。
広告主の了解をとって、その日1日はダミーの広告看板になりました。
甲東園駅
元々、関西学院大学の学生さんの多い駅ですが、エキストラも関学の学生さんがお多かったようです。
ホームでの俳優の演技はなかったですが、狭いホームでの撮影は現場についていた阪急電車の職員も安全には気を使われていたようです。
関西学院大学
まるで関西学院大学のプロモーションか?と思うほど、学校の風景が出てきました。
学内で独自にエキストラ募集もあったようです。
軍オタの小坂圭一(勝地涼さん)がヘリコプターの音に気づき、窓から見上げるシーンは関学の5号館での撮影でした。
陸上自衛隊伊丹駐屯基地が近いこの辺りでは、自衛隊機の編隊飛行をよく見かけます。
大手前大学
森岡ミサ(戸田恵梨香さん)とカツヤ(小柳友さん)が通う学校として、大手前大学が撮影場所となりました。
わらびの生える場所
作品の中では可愛いイラストが出てきていましたが、甲東園駅と仁川駅の間の切り通りの場所が「わらびの生える場所」です。
圭一の部屋と伊藤さんの部屋
圭一くんの部屋は、今はもう無くなってしまった市内の市営住宅の一室が使われました。
撮影では使われることのない、カメラに映らない部分にも軍オタ圭一くんのこだわりが見えるような部屋になっていました。
細々と小物を準備するのは美術さんの仕事です。
映らないけど、役者さんのためには一部屋全部を作り込むことが必要なようです。
伊藤さん家族の住む部屋も市内の市営住宅でした。
「伊藤さんの生活を考えたら、ビールのコースターは手作りの編み物かなと思って・・・」と言いながら、美術の責任者の方は撮影直前まで編み物をされていました。
電話が置かれていた場所の壁には、西宮市の電気のメーターのお知らせの紙が貼ってありました。
夙川河川敷緑地公園
犬嫌いだった夫と散歩しているシーンは、夙川公園で撮影されました。
撮影場所は、大井出橋の少し北側あたりでした。
ここでもおじいちゃんが犬を連れていますが、この作品は何度か犬が出てきます。
撮影に参加ずる犬は、事前に犬のオーディションも行われていました。
西宮市立西宮高校
悦子が進路指導の先生に「う〜ん、関西学院大学か・・・」と言われる場面がありました。
地元の先生なら「関西学院大学(かんせいがくいんだいがく)」なんて言わないよなあ〜と思いながら映画を見ました。
地元では「う〜ん、関学(かんがく)か・・・」ですよね?!
西宮市以外の撮影場所
映画「阪急電車」は、今津北線8駅とその近辺が舞台になっている作品です。
このページでは西宮市内の撮影場所とそのエピソードを中心にご紹介してきました。
市外の撮影場所に関しては、下記のリンク先からご覧ください。