色は、こころを助ける力になる!― 大手前大学退官後に続く山下真知子さんの新しい世界―

2026年2月7日に『なばなネットワーク』(さくら FM)▶︎で放送された内容をもとに記事にしています。

”まちこ先生の色講座”や”絵本作り”に力を入れる山下真知子さんの、これまでの活動やこれからの展望をお聞きしました。

原点は「グリーンのランドセル」??

「色は、だれのそばにもあります。でも、意識しないまま通り過ぎていることが多いんです。」そう語るのは、色彩環境と心の関係を20年以上研究してきた山下真知子さん。

大学卒業後は、民間企業で商品企画やデザインなど色彩に関する仕事をしていた山下さんは、50歳の手前で、ホリスティック教育を学びたいと大学院へ進学する決心をした。
そこで出会った心理学の先生から「山下さんは”共感覚者”だと思う。」と言って一冊の本を手渡された。

「その本を読んで、それまでの体験と自分が抱えていた人との違和感の原因がわかり、初めて自分を肯定してもらった様な気がしたんです。」

シオサイでの読み聞かせの一コマ

ノンバーバルコミュニケーションの一つと言われる”色”が、それまでの自分の頭に中にズーーっとあったんだ!と納得した瞬間だったようだ。

「実は会社員だった頃、いただいた名刺にその人から感じた色をいつも書き込んでいたんです。顔は思いだ出せなくても、色で書いておくとその人の声が蘇ってくるんです。私の場合、声だけでなく匂いや味なども色がセットになるんです。だから、先生時代は学生の名前を覚えるのは得意でしたね!!」

「ちいさい頃から”色”にうるさい子どもだったと聞いてます。着ていく洋服もどの色がということではな く、おそらく気持ちと”色”を無意識に同化させていたような子どもだった様です。」

「でもきっと、母も色にはこだわりを持っていたのではないかと思うんです。」とランドセルのエピソードを話してくれた。

昭和34年、当時は女の子は赤/男の子は黒・・・というのがランドセルの定番だった頃に背負わされた深緑色のランドセル。
「母は良かれと思って選んだのでしょうけど、あれは私の人生に陰を落としましたよ」と笑う。

気持ちと色が無意識に結びついていた幼少期だった山下さんは、大学院で”共感覚者”という言葉に出会い、そこから色と心の関係を探る研究者としての道が始まった。

西宮で実践してきた「色の力」

大学院で学び、大手前大学の教授になってからは人気の講義やゼミだったという。

山下さんの授業は教室の中だけにとどまらず、西宮市内の小中学校のトイレの色彩環境を整備する改修をしたり、交通公園では”色で子育て支援をしよう!”と公園の遊具を蘇らせる活動などをゼミの学生たちとそれぞれ数年がかりで取り組んでもきた。

学校のトイレを改修した時は、子どもたちからは「明るくなった」「怖くなくなった」「きれいでうれしい」などという言葉をたくさん聞いたという。
また、高学年の子どもからは「色が入ったことで、においが減った気がする」という感想もあったという。

交通公園の色彩計画では、「子どもが認識しやすい原色」を軸に、“見える・わかる・かわいい”をテーマにデザインした。
公共の色を考えるときは、目的や使い手の優先順位を大切にしてきたと話す。

「色は、空間の印象を変えるだけでなく、そこにいる人の心の在り方にも作用するんです。その実践を、西宮のまちで重ねられたことは、とてもいい思い出になっています。」

「色を意識すること」は自助になる

大学退官後、山下さんが最も伝えたいことは、色を少し意識するだけで、自分を助ける力になるということ。

気分が落ち込んでいるときにネイルの色に救われること。
怒りでざわつく心が、やわらかな色の空間で落ち着くこと。
山下さんはこれを「自助力」と呼んでいる。

「今日からできることは、とてもシンプルです。空の色を見てください。鏡の前の自分の服の色に目を向けてください。スーパーで野菜の“色”を意識してください。色を意識してみてください。それだけで脳が活性化し、日常が少し楽しくなるんです。」

これまでスルーしてきた「あたりまえ」 の色を意識すると、洗濯もお出かけも、料理も、おしゃれも楽しくなると山下さんはとても楽しそうに話した。
「とにかく意識して 脳を活性させるんです。意識するだけでいいですよ!!」

積年の思いだった「絵本」への挑戦

研究者として走り続けた日々のなかで、あと回しにしてきた夢・・・それが絵本創作だった。

最初は、日本の民話を取り上げていたが、途中でギブアップしたという。
「日本の民話って、結末が結構怖いんです。ですから自分なりの創作を付け加えて書いたりもしてきましたが・・・。」

カフェシオサイにて 山下真知子さん

そんな時に出会ったのが、「昔、あなたが書いていた”天使ちゃん”。その天使ちゃんの今が見てみたい!!」という長年の友人の言葉だった。
そこから「ちびちび天使シリーズ」の絵本が始まっている。

西宮北口(南昭和町10-19 )にある絵本カフェとしても知られているパスタ・エ・カフェ・シオサイでは山下さんの絵本の原画展や読み聞かせも行い、“オトナの読み聞かせ”として静かな共感を広げている。

絵本カフェ シオサイ

絵本とは言いながら、山下さんの絵本は文字が多いですよね・・・とお聞きすると、こんな答えが返ってきた。
「今、絵本から本の間をつなぐ”子どもたち向けの読み物”の分野がないんです。ですから私は、その分野を埋めようと思っています。小学校に上がったばかりの子どもにとっては、長い物語はまだ無理でも、私が書いているぐらいの量なら充分読めますから・・・。」

「絵本はライフワークです!」
そう言い切る山下真知子さんの絵本は、AmazonYOMOなどで販売もされている。

退官後も、まちとともに

2026年2月18日「まちこ先生のオトナの色講座」の初回を、アクタ西宮東館6階にある西宮市市民・大学共創プラザで行ったという。
「みなさん 大満足で帰っていただけてねーー!」と、新しい企画に手応えを感じておられるようだ。

第二回目は、2026年3月18日。11時から13時までの予定という!!
ご興味のある方は、お問い合わせ irokyousitu★gmail.comまで。
(ただし、★を@に変えてご利用ください)

夏休みに向けては、子ども向けの活動も準備中だとか・・・。
これからの”まちこ先生”の活動がとても楽しみだ。

研究者から一市民への伝え手へと、まちこ先生の活動はより身近な場所で、よりやわらかく広がっていくようだ。

色と心をテーマにした物語は、子どもだけでなく大人にも届くメッセージの絵本になっている。

シオサイでの読み聞かせは大人の時間

色は、特別なものではない。
でも、意識した瞬間から、世界の見え方は変わる。
西宮のまちで積み重ねてきた実践の先にあるのは、「自分を助ける力」としての色。

「今日、あなたのまわりにある色は、どんな表情をしていますか??」
「まちこ先生の色講座」や絵本創作を通して、“色のチカラ”を伝え続けたいという思いは膨らんでいる。

投稿日時 : 2026-02-21 10:38:00

更新日時 : 2026-02-21 07:23:46

この記事の著者

編集部|J

『西宮流(にしのみやスタイル)』の立ち上げ時からのスタッフ。
日々、様々な記事を書きながら西宮のヒト・モノ・コトを繋ぎます。

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