『西宮の自然を守り続けて50年』西宮自然保護協会の大谷洋子さんにお聞きしました!

香櫨園浜のヤシ

さくら FM「なばなネットワーク」で、西宮自然保護協会の大谷洋子さんをゲストにお迎えしました。その時のお話から記事にしています。
西宮自然保護協会➡︎は1974年に設立され、昨年で50周年になっています。
大谷さんは長年にわたり、市民ボランティアとして西宮の豊かな自然を守り育てて来られました。

大谷さんの活動の始まりは、点訳活動から自然保護へ!

大谷さんが協会に関わるようになったきっかけは、意外にも「点訳」でした。

西宮に移り住んだばかりの頃、市が開いた点訳講座を受講し、その仲間とともに『西宮の自然』(西宮自然保護協会刊)を点訳したのが始まりだったといいます。

そのご縁から協会の集まりに誘われ、植物や鳥、海辺の生き物など多様な話を聞くうちに、自然の魅力に引き込まれていったといいます。
「ですから、私は途中からの参加なんです。」

「山も川も海もある。西宮は本当に多彩な自然を持つ町。歩けば歩くほど、新しい発見がありました」と当時を振り返ります。

湿原から浜辺まで、多彩なフィールドのある西宮

協会の活動は、市内のさまざまな自然環境を舞台に広がっています。

甲山の湿原などでは希少な植物やモリアオガエルの保護活動が続き、西宮の山口中学では生徒たちが「モリアオガエルの保存会」を作るなど子どもたちへと引き継がれています。

協会の活動の中でも、大谷さんが長年関わってきたのが「香櫨園浜(こうろえはま)」の保全活動でした。
震災で大きな被害を受けた護岸は、復興工事を経て今では階段状のモデル護岸へと生まれ変わり、市民が散歩や自然観察を楽しむ場になっています。

香櫨園浜
香櫨園浜に自生する貴重な海浜植物/ハマナス
香櫨園浜
香櫨園浜に自生する貴重な海浜植物/ハマボウウフ

浜辺では、震災後に芽吹いたハマゴウやハマヒルガオなど海浜植物が花を咲かせ、ワシントンヤシの並木が独特の景観を形づくっています。
この浜辺のヤシは、元々、回生病院にあったワシントンヤシの種が飛んできて自生し始めました。
ただヤシの繁殖は旺盛で、今では、協会はボランティアとともに年間5,000本もの自生の芽を間引いているそうです。

ヤシの小さな種が遊歩道にも無数に落ちていた。

「残したい自然を守るために、どう手をかけるか。市とも相談しながら続けています。」と大谷さん。

あっという間に大きく育つワシントンヤシは、一定の高さを超えてしまうと葉刈りなどの手入れができなくなり、その対応で現在、市とも協議しながら景観をどう守るか?という難しい場面も出てきているようです。

一緒に活動したいと思われた方は、ぜひ西宮自然保護協会➡︎のウェブサイトで!!

ここで香櫨園浜のお話!(編集部より)

夙川の河口の東側と西側に浜が広がっています。
今はそれら東の御前浜と西側の香櫨園浜を合わせて西宮市では「御前浜公園」として、西宮浜の総合運動公園とともに阪神園芸が指定管理者となっています。

御前浜公園周辺は、阪神間における貴重な自然海浜になっています。
御前浜、香櫨園浜には多くの渡り鳥や貝やカニ類、海浜植物などのさまざまな生き物を観察することができる貴重な海岸になっています。

香櫨園浜の護岸の遊歩道(2025年撮影)
香櫨園浜から西宮浜を望む(2025年撮影)

特に夙川の河口の西側の香櫨園浜は、震災復興工事の後、回生病院側のワシントンヤシの種が飛んで自生し始め今では独特の景観の浜になっていて、その景色が市民からも人気です。

ただ浜はそう広くなく、阪神間における自然な浜に外来種であるワシントンヤシがどんどん増えていくのは西宮市としては問題も感じているようです。
また、どんどん背が高くなるワシントンヤシは一定の高さ以上になると葉刈りなどの手入れが困難になり、大きな葉が落下する危険性も考えないといけなくなって来ます。

これまで被害はないが、大きくなるとこれぐらいの大きさになってくる

大谷さんたちもその辺りのことは十分理解されていて、毎年、6月ごろには実生のヤシの苗を5000本くらい抜いておられるようです。

それでもヤシが生え出してから20年近くになると大きく育っているものも多くなり、来年度以降、景観も考えながら徐々に伐採されることが決まっているようです。
大谷さんもこの件では市の担当部署ともいろいろ協議されて来たようで、景観保全の難しさも感じておられました。

ヤシがある香櫨園浜独特の景観は多くの人に共感を得ていて、改めて『景観』保護の難しさを感じています。

2021年撮影
2021年撮影
2016年撮影
2016年撮影

次の世代へ、自然のバトンを渡すために・・・

西宮市の市政100周年では、自然保護協会の活動も表彰されました。
長年の取り組みが次の世代へと受け継がれている証でしょう。

「若い人が自然に関心を持ってくれるのが一番うれしいですね」と語る大谷さん。

西宮の街は、山・川・海に囲まれた自然の宝庫。その魅力を知り、守り、未来へとつなげていくために、市民一人ひとりの関わりが求められています。

協会へのお問合せやボランティアのことなど、こちらからご連絡ください!西宮自然保護協会➡︎

投稿日時 : 2025-08-25 08:15:00

更新日時 : 2025-08-23 08:10:40

この記事の著者

編集部|J

『西宮流(にしのみやスタイル)』の立ち上げ時からのスタッフ。
日々、様々な記事を書きながら西宮のヒト・モノ・コトを繋ぎます。

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