上ヶ原八幡神社は、上ヶ原用水路に沿った小路を西に辿っていき、関学の第三フィールド野球場入口に面している。
神社には鳥居のある南側から入るようになっている。
石の鳥居は1基あるが、これが第二鳥居で、西宮市で一番古い、明神系八幡鳥居といわれている。
本殿の御祭神は仲哀天皇と神功皇后の子・応神天皇で、寛文三年(1663)廣田神社の改築に伴い鎮守の神としてこの地に祀られた。
八幡神は「弓矢八幡」として武士に崇敬されていて、武運の神と崇められている。
八幡神社は全国で最も多い神社。総本社は大分県宇佐八幡宮とされていて、応神天皇が八幡神とされている。
境内末社として、愛宕神社、春日神社、稲荷神社、金毘羅神社が祀られている。
境内、拝殿の左、傾斜地を少し上がったところに「雄飛の碑」が目に入る。
この部分は「西宮海軍航空隊神風神社」となっていて、関西学院内に隊内神社として祀られていたものをこの地に遷座したと説明されている。
一番奥には「行者堂」と「庚申堂」が祀られている。
「行者堂」は役小角行者を祀るもので、雨乞いに霊験あらたかであり、特に農民の信仰が篤い。雨乞いにはこの祠の中に”沢蟹”を入れてお祈りするという。
「庚申堂」は”がいらの神”を祀るもので、”がいら”とはカメムシ科の稲の株に寄生する害虫であり、農家が”がいら”を供養祭神としてその害から逃れられるように祀っているという。
神社境内には色々な神様が祀られていて、興味を惹かれる神社であるが、普段殆ど訪れる人が見かけられない。