もとは広田神社の摂社(せっしゃ・本社にゆかりの深い神を祭る神社)で、大国主命をまつり南宮と呼ばれていたが、鳴尾の漁師に海底から拾われた蛭子大神(えびすさま)がこの南宮の一摂社に落ち着かれて後信仰を集めるようになり、蛭子大神が南宮のご祭神に格上げされた。
海を渡ってきた神ということから航海や漁業の神とされ、室町時代頃よりは七福神信仰によってえびす神への信仰が盛んになり、江戸時代になって傀儡子の活動や謡曲や狂言を通じて全国的に信仰が広まった。
西宮神社と言えば、初詣よりも十日戎のほうが有名で人出も多い。
とくに10日早朝の福男神事はここ数年テレビで取り上げられるようになってから一躍全国に知られるイベントとなったが、2008年から福男上位3人には記念に黄色いはっぴが贈られるそうだ。
御創建の年代は明らかではないが、平安時代の伊呂波字類抄や承安2年(1172年)に行われた広田社歌合に「えびす」の名が見えるほか、高倉上皇の御奉幣をはじめ皇族・神祇伯の参拝が度々あったことが古文書に記されている。
室町時代になると七福神信仰によってえびす様が福の神の代表となり、また西宮神社がその信仰の本拠地として人形操りや謡曲、狂言などの芸能をとおして、全国津々浦々にまで御神徳が広まった。現在国の重要無形文化財に指定されている大阪文楽や淡路島の人形浄瑠璃は、ここの「えびす舞」が源流となっている。
国宝の三連春日造の本殿は、昭和20年に戦火にあったが、昭和36年にもとのままに復元され、平成23年には祈祷殿が新しくなり、本殿も一部改修された。室町時代建立の大練塀と桃山建築の表大門は国の重要文化財に、えびすの森は天然記念物に指定されている。
明治時代以降は、交通機関の発達に伴い、参拝者数も飛躍的に増加し、今では1月10日を中心に9日からの3日間は「十日えびす」として名高く全国から3日間で百万人を超す参拝者で賑わう。
1月10日午前6時の開門神事に参拝された方には、開門参拝の証が先着2000名に配られる。
江戸時代から続く西宮の古い風習「逆さ門松」もその由来はえびす様にあるという。
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12月27日
煤払い 午前10時 / 逆さ門松 午前11時
12月31日
大祓 午後4時 / 除夜祭 午後6時
1月1日
歳旦祭(さいたんさい) 元日 午前六時
1月2日
奉射事始祭 午前10時
1月3日
元始祭(げんしさい) 午前9時30分
1月5日
百太夫神社祭 午前11時
1月8日
十日えびす 大鮪(おおまぐろ)奉納 午前9時30分
1月9日
十日えびす 有馬温泉 献湯式 午後2時
1月10日
十日えびす大祭 午前4時
開門神事(かいもんしんじ)福男(ふくおとこ)選び 午前6時
[住所] 西宮市社家町1-17
[電話番号]0798-33-0321