西宮市街地の北部、夙川の西、この地域一帯には磐座群があり、『甑岩』を霊岩とする信仰は「磐座」祭祀と呼ばれ、その象徴として祀られているのが「越木岩神社」である。
ご神体の『甑岩」は本殿背後にある巨大な霊岩で、高さ約10m・周囲約30mの花崗岩である。
「女性守護」「安産・子授けの神」としてご神徳があるとされている。
「甑岩」は酒米を蒸す時に使う「甑(こしき)」に似ていることから名づけられている。
豊臣秀吉による大阪城築城の際、霊岩を切り出そうとしてが、鶏鳴し、真白な煙が立ち上がり、その霊気に石工たちが転げ落ちて倒れ臥し、運び出すことが出来なかった。
この時に切り出そうとした大名の刻印や矢穴・ノミ跡が残されている。
また「甑岩」の周囲には多くの神様が祀られている。
越木岩神社のご祭神は西宮神社より蛭子大神を勧進し、蛭子大神宮と称したが、西宮総本社の北に鎮座することから「北の戎」とも呼ばれている。
拝殿の中には沢山の額が収められている。泣き相撲で有名な事から、相撲に関する額が多く見られる。
上新田地区、下新田地区から1面ずつ天保2年(1831)に納められた「おかげ踊り図絵馬」は、伊勢神宮へのお参りを記念したもので、西宮市指定有形民俗文化財となっている。
境内には毎年9月に行われる「越木岩泣き相撲」のための土俵や、例大祭で奉納される「西宮薪能」のための能舞台がある。
今年(2022年)大阪で開催される、大相撲春場所から、越木岩神社が「二子山部屋」の宿舎として使用されるようになり、沢山の二子山部屋の幟が上がっている。
色々と情報を得ると興味の持てる魅力ある神社と言える。
参照は 甑岩(越木岩神社のご神体)、例大祭(越木岩神社)、椿まつり(越木岩神社) 等を。