門戸厄神・東光寺の人形供養とは?大切にしてきた人形に【ありがとう】を伝える

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門戸厄神・人形供養

雛人形、五月人形、日本人形、ぬいぐるみ……。長い間、大切にしてきた人形を手放すことになったとき、「そのまま捨ててしまっていいのだろうか」と迷った経験はないでしょうか。

門戸厄神(厄神さん)として知られる西宮市の東光寺では、毎年、人形供養を行っています。今回はインタビューをしてお話を伺ってきました。

人形供養祭
画像は公式サイトより引用

供養のために持ち込まれる人形は、雛人形や市松人形だけではありません。幼いころから大切にしてきたぬいぐるみや、UFOキャッチャーで手に入れた小さなぬいぐるみなど、実に多種多様です。

人形供養について伺うと、そこには単に古くなった人形を処分するというだけではない、人と人形との関わりが見えてきました。

なぜ人形を供養するの?

人形供養に持ち込まれる理由は、人によって色々です。

特に多いのが雛人形。昔は嫁入り道具の一つとして親から受け継いだものでも、住宅事情が変わり、五段飾りなどを飾る場所がなくなってしまうことがあります。

門戸厄神・人形供養

「親からもらったものだから捨てるのは忍びない」「自分が子どものころに大切にしていたものだから」という思いから、供養を選ぶ人も少なくありません。

最近では、昔ながらの雛人形だけでなく、時代の変化も感じられるそうです。雛人形の顔つきや着物の柄にも流行があり、ケースに収まったコンパクトなものも増えています。市松人形にも、髪色や化粧などに現代らしさが見られるといいます。

一方で、古い人形だけが持ち込まれるわけではありません。子どものころから使っていたぬいぐるみや、壊れてしまった人形を「捨てるのはかわいそう」と持ってくる人もいます。小さなぬいぐるみを一体だけ持参する人もいれば、長年ためていたものをまとめて持ってくる人もいるそうです。

人形に対する思い入れがあるからこそ、「普通のごみとして処分するのではなく、最後にきちんと供養したい」と考えるのでしょう。

人形には「その人の思い」が宿る

「人形には魂が宿る」と聞くと、人形が本当に動き出すような話を想像する人もいるかもしれません。

東光寺では、人形そのものが勝手に動くというような意味ではなく、長い間かわいがり、話しかけ、一緒に遊んできた人形には、持ち主自身の思いが宿ると考えています。

例えば、他の人から見れば古く汚れたぬいぐるみでも、本人にとっては何物にも代えがたい大切な存在かもしれません。

「おばあちゃんが作ってくれた」「子どものころ、いつも一緒だった」そうした思い出があるからこそ、手放すときに「ありがとう」と伝えたいと思う。

人形供養は、そうした気持ちに区切りをつけるための一つの方法でもあります。

供養することは、人形には絶対に魂があるからという考えだけで決めるものではありません。これまで大切にしてきたものへの感謝を形にして、次の生活へ進むための「卒業」のような意味もあるのではないでしょうか。

東光寺ではどのように供養する?

東光寺では、毎年3月1日から11月19日までの間に受け付けた人形を供養します。受付時間は午前9時から午後4時(11月19日は午前中まで受付)まで。予約は必要なく、人形がたまったところで11月19日の午後に人形供養祭が行われます。

人形供養祭の詳細は以下の記事をご覧ください。

当日に供養に立ち会うこともできますが、お寺に任せることもできます。

供養では、理趣法による撥遣作法(お性根抜き)が行われます。これまで人のために役立ってくれた人形に感謝し、その労をねぎらい、仏教の教えに従って弔います。

昔は人形を燃やすこともありましたが、現在の人形には化学繊維など想定できない素材が使われており、以前のように単純に燃やすことは難しくなっています。時代とともに、人形を手放す方法も変わってきました。

それでも、「今までありがとう」という気持ちを込めて最後のお別れをするという意味は、今も変わりません。

供養できる人形、できないもの

東光寺では、雛人形、日本人形、博多人形、ぬいぐるみなど、幅広く人形を受け付けています。動物やキャラクターのぬいぐるみ、フランス人形、民族人形なども対象です。壊れている人形でも供養できます。

雛人形や五月人形などの台座・お飾りなどは対象外です。飾り棚、ケース、屏風、剥製・毛皮・革製品、危険物、家具、人体の一部なども受け付けていません。対象になるのは人形本体のみです。

持ち込む際には、取り外せる台座やお飾りなどはあらかじめ外し、人形本体だけにしておく必要があります。また、宅配便や郵送での受付は行っていないため、直接お寺へ持参します。

供養料は30cmまで1体1,000円からが目安ですが、人形の大きさや重さなどによって変わります。

人形のサイズは30cmまで
画像は公式サイトより引用

年間約1万体の人形が集まる

東光寺に集まる人形は、大小合わせて年間およそ1万体。持ち込む人も子供からお年寄りまで幅広いそうです。

長年しまわれていた雛人形もあれば、つい最近まで子どもが遊んでいたぬいぐるみもあります。

一体一体、顔も違えば、身につけている衣装も違う。中には「誰かに似ている」と感じる人形もあるそうです。

たくさんの人形を見ていても、怖いという印象はないといいます。それぞれの人形に向き合い、感謝の気持ちを込めて焼香し、最後のお別れをする。それが東光寺の人形供養です。

「ありがとう」を伝えて手放す

人形を手放すことに迷ったとき、必ず供養しなければならないわけではありません。

そのまま処分するという選択もあります。

けれど、長年大切にしてきた人形なら、「これまで一緒にいてくれてありがとう」と気持ちを伝えてから手放すことで、気持ちの整理がつくこともあると思います。

人形供養には、人形を特別な存在として扱うというだけではなく、そこに詰まった自分自身の思い出や、大切にしてきた時間に一区切りをつけるという意味もあるのかもしれません。

子どもの成長とともに役目を終える人形。親から受け継いだ人形。家族の思い出が詰まったぬいぐるみ。

手放すことを決めたときに、「捨てる」のではなく「ありがとう」と言える場所がある。

門戸厄神 東光寺の人形供養は、そんな人と人形とのつながりを、最後まで大切にするための供養なのではないでしょうか。

人形供養の詳細は、「公式ホームページ」をご覧ください。

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